2003年5月アーカイブ

縦走 周回 登山

縦走 周回 登山


車は一切使わず
「通常、数泊を要するコースを日帰りでやってしまうような早駆け登山をカモシカ山行などと呼ぶが、稲沢久夫さんは、たとえば、馬場島から剱岳の早月尾根を登り、帰路は大日連山を踏み越えてその日のうちに称名滝方面へ下山といったような驚異的な山行を幾年にもわたって日常的に実践されている。

馬場島7:00 早月小屋9:25 剱岳11:25 剱御前小屋13:10 大日小屋15:40 称名川17:45
このコースは初走破81年以来年に2?3回ずつ14年間継続した。

山行はすべて単独行。従ってどこへ行こうと自由で折立峠までいってその先のコースを決めることも。
車は一切使わず、鉄道とタクシーを利用。ために入山地点に帰る必要がなく、勢い縦走的山行が多くなる。」

橋本 廣編 「とやま山紀行」 1996年12月20日発行 桂書房


☆アプローチを歩く

最近の登山者は往々にして林道の奥まで車で行って、アプローチを短縮していることが、多いようです。時間短縮でしょうが、いよいよの登山口でいきなりの急登を登るのは、暖機運転なしに、いきなり全力疾走するようなものです。ウォーミングアップのつもりで多少なりとも林道などのアプローチを歩いてみるのもいいと思います。


☆縦走か周回かピストンか

登りと下りと同じコースをとるのはまず基本です。登りの途中で予定外のことがあった場合でも、その時点で引き返せば、下りでの不安が解消され、安全性が高いと思います。ただ登りのコースが極端なバリエーションルートであれば、途中からは降るより上に抜けてしまって、より安全な一般道があれば、それを利用するほうが安全性が高まる場合もあります。
縦走は山並みの上を縫っていく魅力のあるコースです。往復のピストンコースにない大きな感動と達成感を得ることになります。
ただ縦走登山すると、車で行く場合には、どうしても車の回収に困ります。周回登山はその苦労を少なくするため、計画されます。コースの選定やエスケープルートの配置に知恵を絞ります。


☆車の回収

1 車を2台以上使う

2台以上で行き、あらかじめ下山地点へ下山用の車をデポしておく、のはよく使われます。
ただし、また登山口まで回収に行かなくてはならず結構面倒です。またパーティーの構成などにも影響されます。
スピードのでない狭い林道を行き来して、かなりの時間的ロスがあります。縦走路で効率よく、うまく設定できれば良いのですが、エスケープルートを含めて、なかなか作戦が上手くいくとは限りません。
これの変形として両方の登山口から縦走していき山中で車のキーを交換するという手もありますが、連絡の取り合いとか、エスケープルート選択時のことを考えておく必要があります。

2 バス タクシーなどの利用

公共交通機関を利用すれば下山ルートに制限がなくなりますが、チャーターバスならともかく、やはり一般の交通機関には運用時間の限りがあります。路線バスが上手く設定されているところを選び、かつ、バスの時間に乗り遅れくれないように行動に余裕をもって計画しておく必要があります

3 自転車 単車を車に積んでいって下山口にデポする。

これは基本的に1の車2台のときと同じ悩みが出て来ますが、単独行でもできるという最大の利点があります。
さらに、自転車なら標高差を考え下る方向に使えば精神的にぐっと楽になります。

4 ヒッチハイクなど

山中で 他の登山者に便乗するならともかく、地元の人を頼みとして、 これを始めから 予定に組み入れるのは登山者としては色々と議論のあるところです。 一部の観光地化した場所を除き、一般的に山中深いところは原則的に、車の通行は極めてわずかです。山は山里の人によって守られていると思います。ただでさえ過疎化が進み廃屋が増加し、高齢化や林業などの衰退など山里の現状を見れば、たとえ善意のつもりで 地元の人からの申し出があっても、それに頼るのは、山里の人に 結果的に負担となるようなことであって、基本的に良くありません。登山者は遭難時だけでなく 有形であれ無形であれ、地元の人に大きな迷惑をかけることがあってはならないと気付くべきです。
その上、今では、山奥の主力産業はかつての林業から土木建設工事になっています。昨今は工事現場までの行き帰りに万が一にも工事車両の転落事故などの発生がないようにと、工事車両については工事発注官公庁から安全対策をきつく指導されているようなので、登山者など第三者の便乗は厳禁という傾向が強いと思います。
冷たいようですが、山間地での人々の生活ペースを乱すのは良くありません。登山者は登る山が地元の山里の人によって守られているという中で、登らしてもらっているのですから、そういう感謝の気持ちを持って登るべきだと思います。始めから歩く気持ちを持っていれば、通り過ぎていく 車の横を歩いていても別に気落ちもありません。

5 結局は一番頼りになるのは歩くこと

バスの時間とか一切気にせずに、ただひたすら車をデポした駐車地点まで歩くこと。これが一番確実です。エスケープルートなど予定外のことがあっても臨機応変に対応できます。始めから歩くつもりでいれば精神的には一番楽なのです。


☆私の山日記から

何事も計画通りにはいかないものです。途中、予定外に時間を喰ってしまうことは日常茶飯事です。

「T岳までの予定は やはり無理だ。ガスがでて、暗闇が迫りつつある。無理せず Sへ降りよう。林道16k位は大したことはない。安全策を採った方が良いだろう」平成12年4月22日16時48分k岳山頂にて

「暗闇から すっと車が突然現れた。助かった」22時48分


矢筈山(1848) 黒笠山(1703)平成12年4月22日の記録 

後日談

1ヶ月後同じコースで再挑戦しました。K岳へはあの時に比べ僅か1時間早く着いただけですが、たったそれだけの差で予定の縦走コースを完歩できました。
日の長さ、積雪状況の違い、天候の安定性、体調など色々な要素を考えて安全策を取るのが大切なのです。


2003年5月30日 第一版
2004年12月23日 改訂増補
2006年3月20日更新

駐車スペースの件

駐車スペースの件

イザリ峠登山口


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登山者は駐車スペースの選定に細心の注意を払う必要があります。
登山口に登山者用の専用駐車場が整備されていれば問題がないのですが、登山者の少ないマイナーな山へ行こうとすると狭い林道では意外に駐車できるところは限られます。登山者は駐車スペースの選定に細心の注意を払う必要があります。ことに駐車場が一杯だったりしたら、往々にして路肩駐車などが行われることになります。少し広くなった所で駐車に適しているなと思っても、民家に近いところでは、地元の人の専用駐車場であったりします。決まったところに決まった車が駐車するのです。道沿いに家が見えなくても道の上か下の離れているところに民家があることが多いのです。また、山里の人は実に良く見ています。いつどこにどんな車が止まっていたか顔を会わさなくても、車の駐車でよく見る車だとか、盆正月に息子さんが帰省しているとか、実によく見られてしまっているのです。よく行くところでは道で突然顔を会わせても車を見て今までの素行が全部知れ渡っていると思った方がよいのです。

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僅かなスペース

山里では平坦な場所など本当に少ないのです。
僅かなスペースでも貴重なのでそれなりに利用されきっている状態です。
ことに、山間地の主力産業が土木工事業になっている昨今の状況では工事用スペースがより多く、必要になってきました。
駐車場に適した土捨て場の跡等の広くなった所などは、工事関係者が工事関係の資材を置いていることが多いので、工事関係の作業場となります。無闇に駐車してしまうと工事の妨げになります。そこも避けなければなりません。
私は工事場所に近いところでやむを得ず駐車するときなどは、工事関係の人を見かけたら駐車の可否を尋ねるようにしています。今まで工事がなかったところでも、次の週には工事が始まっていたりするのです。

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大型車
批判の多い観光用林道を除き、一般的には、林道はもともと林業用の目的で作られて、登山者のためではありません。
山仕事を優先させなくてはなりません。作業は休日でも行われます。
少し広くなった所は本来は大型車同士のすれ違いのために作られています。
そこらのスペースを登山者が一日中占有してしまっては大型車の離合に差し支えます。仕事優先で考えなくてはなりません。
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駐車場からあふれ出た車が林道を封鎖してしまってはいけません。
林道では休日でも林業用や工事用の大型車の通行があるのですから、
車線をふさぐような、無余地駐車は絶対にやってはなりません。

カーブで少し広いところも大型車にとっては内輪差でぎりぎりになることが多いのです。 カーブの駐車も危険です。
もし路肩に車を置くとしたら、残った車線幅を歩数で確認して見る必要があります。
大型車の車幅は2.5mであっても、大型車は路肩には寄れません。路肩が崩れ転落の可能性があるからです。仮に簡易舗装してあっても、路肩は弱いのです。駐車しても十分な余地が出来ないところでは駐車出来ません。
林道の規格が低いところでは(この方が自然環境に優しい林道ですが)ことに駐車余地はとれません。
そんな消去法で駐車スペースの選定を行うと当然、目的の登山口からはどんどん離れていきます。間違いのなく迷惑の掛からない車の駐車スペースなど本当に限られているのです。

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積雪期
さらに、積雪期になると、さらに駐車は難しくなります。国道や主要幹線地方道のような除雪サービスはまずありません。まあ一応、最終民家まではレベルの低い除雪サービスがあったとしても、それより奥は、発電施設があるとか通年施工の工事が施工中とか何か特別な理由がない限り、その先は除雪対象にはなりません。
除雪があっても、除雪したあとの堆雪が道幅を狭めてしまいますので、駐車場所は更に少なくなります。除雪作業の妨げになるような駐車はできません。

除雪がなければ更に奥へ進める距離は本当に限定されます。一度スタックしてしまえば脱出に20分30分があっという間にたってしまい、気分的にも体力的にも物凄く消耗してしまいます。
仮に無理して駐車予定のところについてもそこでのUターンも困難な作業になります。
山を登る前には、体力を温存するためにも、歩いた方がぐっと楽に早い場合が多いのではないしょうか。
また除雪のない所で、仮に幸運にも奥までいって駐車できても、登山中に不意の大雪の降雪があったりして、下山後、車が動けない場合も起こりえます。

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近頃では、除雪対象外の林道で無謀な4WD車が無理矢理にクロスカントリー走行しスッタックして自力脱出できなくなり地元の人にSOSの助けを求めたり、無防備な車がつっこんでしまって、場合によっては車だけ山中に越冬などの事故が頻発することになると、道路管理者がゲートをもうけ、遮断機や閉鎖扉での冬季閉鎖などの処置がとられたりします。

山では標高が少しでも低ければ格段に積雪量が違っています。より高く迄車で行こうとするから、トラブルに巻き込まれます。
冬は絶対に安全と思われる、下の方で、十分な駐車スペースのある場所へ駐車し、そこから歩く覚悟がないといけません。

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地震
以前山中で震度4位の地震に出会ったことがありました。
大きな地震でしたが震源地からは離れていて、山道では別にどおということはなかったのですが、下山して林道にでてきたら、至る所で林道は結構、崖が崩れていました。

地震があった場合、車は山中で閉じこめられてしまう可能性があります。
それでも最終民家までは比較的早く復旧するでしょうが、それより奥は後回しです。
安心を求めるなら、奥まで車を入れないで、まず歩きを基本にすべきなのです。

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全面通行止め

崖崩れ
自然条件が厳しいところですから山奥の林道で、崖崩れは日常的に発生します。大雨、雪解けでの崖崩れ、など山奥の林道の状態は刻々変化していきます。ちょっとした大雨があったら、まず多少とも崩れがあると思った方がよいのです。
仮に雨が降っていなくても山間地では地滑りがじわじわ進んでいるところも多いのです。
山道で倒木があったりしても、人間だけなら軽く乗り越えていけます。ガレ場や崩壊箇所でも状況を見極めた上で細心の注意を払いながら通過できます。
しかし車は倒木一本で通れません。大きな落石一つでもう通行止めです。

大きな崖崩れは復旧に何ヶ月も掛かります。場所によっては何年間も通行どめになります。帰り道を遮断され閉じこめられてしまった車を見かけたこともあります。
国道や主要幹線地方道なら生活に直結していて影響がおおきいので、緊急的に仮設の復旧道を迂回させて作ることもあるでしょうが、山奥の林道末端での崖崩れなど慌てることなどありませんので後回しです。
崖崩れの心配もしておく必要があります。

崖崩れ


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2003年5月30日制作
2006年3月21日 更新

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