2004年2月アーカイブ

昔の人の方が良く歩いた

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昔の人の方が良く歩いた
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「昔の人はすごいですよね。雨にも負けず一日に50キロや60キロを平気で歩いています。
壬申の乱のとき、大津を脱出した大海人皇子はその日のうちに飛鳥までの70キロを女たちを連れてあるいたでしょう。

芭蕉だって、かなりのお齢だったのに雷雨に降りこめられたりしながら50キロも歩いた日がありますよね。
昔の人なら雨が降ろうと草軽電鉄の跡など一日で歩いてしまうでしょうな」

   宮脇俊三著 「失われた鉄道を求めて」 1989年9月15日 文藝春秋

(草軽電鉄 路線延長 草津温泉 軽井沢 間 全線 55.5km 廃線)


★昔の登山者は良く歩いた

最近の登山は 良くなった 道路など利用して 上澄み を すくい取るようなものだ とよく言われます。

昔 一合目から歩いていたのに 今は五合目なら良い方で 六合目 七合目まで 車など交通機関を利用し 上澄みの所だけを ちょっと 歩いての登頂が 一般化してきています。 

著名山 ブームで 案内されている 著名山の登り方は そうした登り方が多いのが現状でです。 

昔は といっても そんな太古の話でもないのですが、少し以前は どこの山域でも 林道など 未整備で アプローチに それなりに 労力を 要するのが 当たり前で 麓から じっくり 登っていくのが 当然でした。

ところが 昔と今と 大きく異なるのは 林道の発達 や途中の 道路が良くなったため いよいよ登山道は 林道終点からから始まるものだという ばかりになってしまったことです。

麓から じっくり 歩くのに比べ 労力も 時間も 大幅に 短縮され 楽になっているのは 事実ですが 単純には喜べない 問題があります。

そもそも 山登りのような 趣味的なものは 長く複雑な 過程があればこそ 深い達成感が得られるのです。

林道終点 迄いって ちょいと 山頂まで 楽に いける所では より深い達成感は 得られにくくなり 人々から疎んじられるように なっていくのです。

交通機関の発達は それはそれで 良い面はあるでしょうが 山では不便さを 味わわなければいけない 事もあるのです。

少し不便が良いのか 大きく不便が良いのか 判断は 人それぞれでしょうが 、昔の人の方が 深い感動の山を味わったのかもしれません。

今でも 深い感動を求めて わざわざ 昔通りの 下から登るのにこだわる 登山者も 少数ですが います。


★携帯電話がなければ 「遭難事故」はなかった

安易な 携帯電話の使用が 遭難事故を 増やし 頻発化させているという 指摘があります。

だいいち 連絡もつかない 誰にも 救助要請など出来ない ということが 当たり前の時は 深い山にはいるには それこそ 真剣に 準備し 心構えも 安易に入れる 現代とは 全然違っていたことでしょう。

そして 万が一にも 事故の無いように 慎重に 慎重に 判断し 行動するでしょう。

もし万が一の時でも 自力で なんとしてでも下山するという 気構えで 山に入っていました。

天候などによって 仮に下山が遅れていても それなりの予備日とか 対処の仕方などもしていたのです。

ところが   携帯電話の発達などで いつでも何処へでも 山岳救助ヘリを呼べるとなると 気構えは 昔の人ほどには 無い と言っていいでしょう。

少々の道迷いや 予定外の時間経過で 下山が遅れ大騒ぎになったり、するのも 安易な携帯電話で 連絡がつくから 気持ちが 易きに 流れていっているのではないでしょうか。

連絡がつかないとなると、安易に救助要請ができないのですから 最後まで自力で無事に下山できるよう 安全登山に 配慮して 行動する という事になるのでしょう。


携帯に関しての 記事より

「----登る山の下調べが不足、コースを正しく歩く技術も 不足、ライトのような山の必携品も持っていない。しかし、携帯はしっかり持っている登山者が多くなった。」と嘆く。また 「 携帯がない ころにも日没による行動不能の事例はあったが、秋の山で 一夜を明かし 翌日は 無事下山していた。」と携帯による 安直な救助要請を批判している。」

山と溪谷2004年2月号 『 「登山の常識」をもう一度 考えてみよう 』 石丸哲也 


★ 不便なのを 楽しむのも 良いことかも

必需品は 持たなければなりませんが、あれもあれば便利 これもあれば便利などという 便利さ を 追求していけば、荷物がふくれあがります。車などにいくらでも 積み込めるとなると、必然的に 荷物量は格段に増えていきます。

山歩きは、荷物の運搬ではなく、山を楽しむところにあります。

軽量化に心掛けるのは、より 自然に 密着して 楽しもうという考え方 なのかもしれません。

山では 思い切り 不便さを味わいのもいいでしょう。

不便だけど 自然が一杯。


昔の人の方が良く歩いた


2004年2月8日 第1版制作
2006年3月20日更新

スノーシュー考

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スノーシュー考

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★ 雪国の人には 笑われるのでしょうが、

生まれが 温暖地ですから、そもそも 雪の絶対量が違います。
 「そんなの ラッセルのうちにも入らないよ 」 と雪国の人には 笑われる かもしれませんが。。。


★ 急速に広まる


スノーシューは日本では 雪山散策 や 山ボーダー(ゲレンデのスノーボードからバックカントリーへ出た人)の使用が多かったのでしょうが、 最近登山者に急速に広まっています。



★わかん から スノーシューへ


わかん は 木製 から スタートし アルミ製 を 随分 長い間使いました。
その後 スノーシュー が 出回り、 わかん スノーシュー 併用 の経験をへて 現在 スノーシュー へ全面的に移行しました。

平成9年頃からテストの意味も含めて使い出してた一代目から数えて、今は三代目のスノーシューを使っています。

スノーシューでは不安で いつでも わかんに履き替えられるよう 常に用意していた 時期もありまして、雪質 斜面 などを見てスノーシューとわかんを こまめに履き替えて、併用した時もありました。

やがて スノーシューの進化も著しく、テクニックも試行錯誤の結果 何となく 習得して、今では、積雪期、良く通う この山域では、私はもっぱら、スノーシュー派になっています。



★機種の変遷 三代目 四代目


1代目機種は 林道のような 平坦地を ラッセルするの時や 直下降などには良いが トラバースなど 横方向に弱くて わかん と 履き替えたりしました。

2代目 3代目は 「MSR の Denali Ascent 」です。
4代目は2004年シーズンから デナリevo ascentです。

今のところ 山で 結構使えるので 大変満足しています。

http://cascadedesigns.com/MSR

横方向に強いのは 山中での 使用では 重要な意味があります。
横方向 への 強いことで、斜面からずり落ちないで 横滑りをしないという意味です。トラバースなど十分出来ます。雪山ではトラバースより直登という基本が ありますが 横方向に強いというのは 雪の斜面で 横滑りせず 安定した 登下降が出来ると言うことです。

この横方向に強いというのが 登山用では 絶対必要で 斜面が急になればハ型に開いてガニ股状にする時でも 横滑りがないことで 一発で足の位置を 決められます。(ヘリンボーンテクニックHerringbone Technique )

これで 適応範囲が 急速に広まったと思います。



また MSRの評価は スノーボーダーや 登山者 ではとても高いようです。 バックカントリースノーボードをされている方からも高い評価を受けています。

英文 ですが
かなり 率直な 使用レポートを 載せている WEBサイトがあります。
http://www.backpackgeartest.org/



★良いことずくめでもない点--- 破損

雪だけの所なら 壊れないのですが どうしても 岩混じりなどミックスのところなどで いちいち 脱ぐのも面倒なので そのまま 歩いていったりしていると そのうちに 次第に金属疲労がたまり  可動ヒンジ や プレートが 傷んでしまいます。本体の所プラスチック部分は丈夫ですので壊れませんが、やはり クランポン爪 など 傷んできます。もっとも 当然ながら 修理は可能ですが 山中で 壊れて  自分で修理して だましだまし 使いながら 山行を継続した 事もありました。

山中での ストーブの故障が、冬山では 大ピンチになるのと 同じで、 スノーシューの破損は重大な山行計画の変更につながります。昔 山中で 木製の わかん を 針金などで 修理していたこともありましたが、山スキーの人が修理具を携行するのと同様に、スノーシューの 山中での 多少の 修理は あらかじめ予想しておく必要があるかもしれません。


★フローテーションテール

 大雪の時などは フローテーションテール (延長アタッチメント)を取り付けて 更に 大型の スノーシューに変身することができますが 思いの外 取り回しに苦労しますので 通常の時は アタッチメントは あまり使っていません。

MSR延長アタッチメント(フローテーションテール)は、長くなった分だけ、取り回しが本当に大変で、ほぼショートスキーの操作感覚です。林道のラッセルや平坦地ではそれなりに威力がありますが、山中の急斜面で取り回すラッセルでは持て余すようなところがあります。たとえるなら、松の廊下の 長い袴のような感じでしょうか。

アタッチメントなしのほうが、登山の場所での 急斜面のクラスト雪面、上下やトラバース、斜め下降上昇すべて快適に行えるような気がします。


★最近の山行から 

全般的には 、スノーシューは スキーに比べ 持ち運びも楽で 適応範囲も 広く 登山者の 雪山での行動範囲は ぐっと 広がってきたと 感じる次第です。



★ストックとの併用

ストック二本を活用すると、 不安定なところでも、着実に、ラッセルできるようになります。
両手で バランスを取ると言うより、スノーシューと あいまって 急な斜面を 腕力も手助けしながら 四輪駆動車のような感じで、上体を 持ち上げていく感じで、難所をグイグイ、登っていきます。

ストックは 大きなバスケット (リング)のついた 深雪用が潜らず いいのです。ゲレンデスキー用 や 夏用トレッキングポール では しっかり潜ります。


★潜り方の 均一化

スノーシューでは 接地面積が増えて、接地圧が減ることで 潜らないとか、 また スノーシュー周囲の長さが増えて、より多くの雪の剪断力が 期待でき 潜らないとか 言われますが、雪質によりますが 柔らかい雪質などでは スノーシューでも  雪の上では多少とも 潜ります。

ただ スノーシューは 壺足より 潜り方が少なく 断然良いのですが、 ことによいのは 潜り方が 平均に 一定に なり ラッセルの ペースが掴めることなのです。
壺足の 潜りは 一歩ごとに 潜ったり 潜らなかったりで 極めて多くのばらつきがあり ペースが乱れて 疲れやすいのです。

一歩ごとに 潜ったり 潜らなかったりでは 累積標高差の上に 更に 一歩ごとに 潜りの 上がり下がりが 加算され とても大きな 労力の負担になります。

やっぱり  潜り方は少ないものの スノーシューでも 多少とも 潜るのですが、潜り方が比較的均一化していて ペースを乱さず 一定のリズムで ラッセルできます。

ただし ラッセルには ある程度の 体力と 焦らない根気は 必要です。 


★雪質 斜面 にあわせた テクニックを 研究する


今使っているスノーシューは 三代目ですが かなり進化していると 感じます。
スノーハイキング 登山 などで あらゆる雪質の 使用条件に適合するような 雪中歩行具として かなり この先も 更に発展し続けるのではないかと思います。

ただし 様々な 雪質条件の下で スノーシューの性能を それなりに十分引き出すには、その機種機種の特性に そった それなりの 技術が求められるような 気がしまします。

「雪と遊ぶスノーシュー テクニック & フィールドガイド」 栗田和彦著
2002年12月20日初版 山と溪谷社


★最後に 何より注意したいのは 安易に 雪の奥山へ 簡単に入っていけることで 起きる問題です。

自然保護の観点から スノーシューのブレードや クランポンが貴重な 木々草木を痛めつけないように十分気をつけることは当然配慮しなくてはなりません。また 野生動物の生息地も大事にそっとしておきたいものです。

ゴミの持ち帰りなど 登山のマナー はもちろん 守らなければなりません。

そして 無雪期とは 格段に厳しい、気象条件など、よく考え、雪の奥山へ、入るときの 危険を 十分認識して、それなりの準備と 装備を整えて くれぐれも 安全登山に気をつけたいものです。 


★ Don't Go "Barefoot" in the snow

"SNOWSHOEING"
BY Sally Edwards and Melisia Mckenzie
Human Kinetics Publishers


2004年2月3日 第1版制作

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