道迷いの最近のブログ記事

20150901-1604.jpg
『もう道に 迷わない』野村 仁 著 山と溪谷社 2015年3月

活かすも 活かさないのも 使い方次第 常に危険性をもつ 山ネット情報

--------------------------------------------------------------------------------------
『もう道に 迷わない』 野村 仁 2015年3月 山と溪谷社
--------------------------------------------------------------------------------------

山岳遭難のなかでも 突出している 「道迷い遭難」。

山岳雑誌などで活躍している 山岳ライターの 野村 仁氏は この著書の中で 道迷い遭難事例を 詳しく 検証 分析している。

このなかで 過去の道迷い事例とは ちがった 近頃 目立つ 新しいタイプの道迷いの遭難事例を検証している。

遭難事例の1番目に紹介されているのは 「 S 山系 」で 道に迷い 生死を彷徨ったすえに 6日後に 奇跡的に無事救助された 遭難者Kさんの事例。

遭難者は 山行記録共有サービス「ヤマレコ」を使用していたが 奇しくも この遭難と 全く 同じ場所で 何ヶ月か前に 同じく別の「ヤマレコ」ユーザーNさんが 行方不明になり 遺体で発見されていた。

同一山域 全く同じ場所で 道迷い遭難 とは 本当に たまたま 偶然なのか?

さらに ふしぎなのは 一度は 道迷いから やっと 脱出できたのに 遭難者が またおなじ 道迷いの 迷宮ルートにわざわざ 自ら再び吸い込まれるように 入っていたのは なぜ?

著者の 野村氏は 後日 遭難者と一緒に 遭難現場を訪れ いろいろな角度から 遭難事例を 詳しく検証。

著者は 地形判断力 読図 リーダーシップ にわかパーティーでの 問題点などを 鋭く 指摘されている。

これらは ネット情報だけでは たやすく習得できない 登山の基礎で 習得しなければならない 「技術」 なのだろう。

インターネットだけでの 登山情報を取得することの危険性とか、インターネットの普及で SNS的な 山行共有サービスの 意図しない 危険をはらんでいる側面があることを 著者は 的確に指摘している。

--------------------------------------------------------------------------------------
以前から心配されていたネット起因の遭難事故
--------------------------------------------------------------------------------------
もともと インターネット黎明期から 心配されていた インターネット起因の山岳遭難事故。

近年の急速なインターネットの進展。 ネットの普及で この問題が大きく顕在化してきている。

インターネットが普及し始めた 初期にもう すでに インターネット起因の遭難事故がおきて 問題となっていた。

 2004年(平成16年)時点で 警視庁山岳救助隊の金 邦夫 氏は 奥多摩山域の日陰名栗峰での遭難事例などで ネット上での いわゆる「バリエーションルート」のもつ 危険性を鋭く 指摘されている。

(拙作サイトの編集方針でも これを参考にさせて頂いております)

金 邦夫氏(警視庁)が指摘する インターネットに起因する 遭難事故

http://shumiyama.web.fc2.com/yomoyama/henshuhousin.html

2004年以降 急激なインターネットの進展があった。さらに急速にSNS化などして 端末もスマホなどへと めまぐるしく変化していって、山岳遭難に かかわる ネット問題も 複雑化して 今日に至っている。

もとより 昔からの 登山者は 諸先輩 先人 地元の方々 はじめ いろいろな 書籍 書物 記録などから 様々な 登山情報を 広く 偏りなく集めて 様々な見方をもって 登山準備を怠りなくして 万全を期していた。

反対に インターネットは手軽に 簡単・便利だが 広く 万遍の情報であるかどうか 要注意だ。

インターネットを 情報収集として 利用するときは サイトの正確さなどや 個人的 偏りの意見など どうしても情報に偏りがでる可能性があり、登山情報を インターネットだけに 安易に 頼ることの危険性はかねてから 指摘されている。

実際に ネット情報で このような 同じ場所 同じような 道迷い を惹起するような 偏った情報が発信されてしまうのには なにか ネット情報に 本質的な 問題点は ないのだろうか。

--------------------------------------------------------------------------------------
夏山トラブルに注意! ネット時代の登山ブーム
--------------------------------------------------------------------------------------

 2015年には 山行記録共有サービス「ヤマレコ」などでも 実際に おきている 数々のトラブル事例。(驚いたことに ヤマレコストーカー問題なども発生)

そうしたおり 夏の登山シーズンの最中の 2015年7月 TV番組でも取りあげられた ネット時代の登山に関する 諸問題。


2015年7月28日(火)放送

「夏山トラブルに注意! ネット時代の登山ブーム」

山でおきた トラブル事例を検証している。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3692_all.html

■「氾濫する情報をうのみにして自分の実力に見合わない山に挑み、トラブルを起こすケースが相次いでいるのです。」

自分の実力を顧みない 実力以上に挑戦してしまう。


■「一部では派手な成功体験が独り歩きしたり、記録を競い合う風潮を生むなど、思わぬリスクにつながっています。」

成功体験の見せびらかし。

意味のない 記録の競争。


■「遭難寸前のことも経験しましたし、こういう集まりはやっぱり無謀だし危ないと気づいて。
人間関係の難しさ、それは経験になりましたね。」

山のネット社会でも 下界並のドロドロした人間関係や 複雑な リーダーシップなどの問題がある。


■「褒められたいと言ったら語弊があるかもしれないけれども、(ネット上で)いい反応を期待した山選びをしていたかもしれない。」

ネット上の反応を やたら気にする。


■「登山をする人には(登山サイトは)居心地のいい、楽しい空間だと思います。
私はそれと上手につきあうことは難しかったし、それで自分を見失う人も時にはいるんじゃないかなとは思いますね。」

心地よさに浸り 自分を失うこともあるかも?

ぬるま湯につかったような 心地よさ。

■「自分の書いた記録を残すため、もしくは人に記録を見てもらうために書くのであって、その記録を見て登る人のために書くわけではないので。」

ようはWEBサイトなど 管理人の 単なる ウェブ上の 備忘録にすぎない だけのこと。


■「実力が違えばもちろん感想も違いますし受け止め方も全然違うので、そのオフィシャルじゃない、客観性がないっていうところに関しては、情報を受ける側、調べる側が意識しなければならない問題だと思います。」

実力が違うと 受け方 感じ方も 異なる。

受け手が つい 身の丈に合わない登山を想定してしまう危険。

受け手は つねに 身の丈に あった 登山を 心がけなくてはいけない。


■長野県 遭難対策担当者
「(投稿者と)力量が違うことを前提にしないと、自分は行けると思うことは危険。」

投稿者の 力量を見定めることが大事。


■「無謀な登山をあおるような情報を削除。

「登山日数のランキングの掲載をやめました。
その一方で遭難などトラブルの体験を載せたコーナーを新設。
リスクに関する情報を積極的に発信しています。」

むしろ 失敗事例などのほうが大事。


■登山サイト 代表 的場一峰さん

「(サイトの情報を)きちんと受け取っていただければ、安全登山につながる一つになると思っている。」

まずは 受け取る側の問題。

--------------------------------------------------------------------------------------
活かすも 活かさないのも 使い方次第 常に危険性
--------------------------------------------------------------------------------------

 計7日間 S山系で生死を彷徨った遭難者Kさんは 山ネット情報で危険に陥ったが 捜索活動はヤマレコ情報や ヤマレコ仲間に助けられた。

インターネットの登山情報は うまく活かせば おおいに役に立ち 有益なものに なるが そうでない場合は 大変危険な ものになる。

まさに 諸刃の剣。


--------------------------------------------------------------------------------------
TV番組の登山番組 著名山ブームをあおったりする
--------------------------------------------------------------------------------------

TV番組の登山番組で やたら著名山ブームを 必要以上に あおったりするなどの問題点があるのではと かねてから指摘されている。

深田氏の書籍のみ だったら ここまで 著名山ブームに火がつくこともなかっただろう。

さらに、最近の 「グレートトラバース」もふくめ 著名山シリーズ ばかり放映される傾向にあるのは あきらかに著名山のみに偏りがあり なんとも不可解なところである。

また 最近では TV放映された日本アルプス縦断レースTJARを めざしてチャレンジしているのではないかと思われる方の遭難事例が2013-2014年にかけてあり TV番組も 同様に 諸刃の剣といえる功罪をはらんでいる。

(『山のリスクと向き合うために』149ページ 村越・長岡 東京新聞 2015年)


--------------------------------------------------------------------------------------
情報洪水の中で自分の実力 正確に把握 的確な情報を取捨選択する選別力をもち 自省し謙虚さを
--------------------------------------------------------------------------------------

結局のところ

インターネット TVメディアなどを 活かすも 活かさないのも 使い方 次第。

そうした 情報洪水の中で 自分の実力を 正確に把握しつつ 的確な情報を取捨選択していく 選別力を高めてていかなくてはいけない。

そのさい くれぐれも 自己過信せず 謙虚に 自分の 実力を悟って、 危険性を けっして軽視することのないように 今後とも 注意していかなくてはいけない。

インターネットの上で 山情報を発信したり 情報を受け取るとき 心がけなくてはいけないのは、とかく 人間は おだてられやすく うぬぼれやすく なんでも つい背伸びしたくなりやすく、すぐに なんでもできる、 可能と思いやすく、恐ろしいほど 自己過信に 陥りやすく、自己の足元を顧みないで おごり、つい有頂天になってしまう 傾向があるということ。

だから、つねに 自省し 素直に自分の実力を見極める 謙虚さを くれぐれも忘れないように していきたいものだ。

20150901-1610.jpg
『山のリスクと向き合うために』村越 真・長岡健一著 東京新聞 2015年6月

20150324-560_0924.jpg

「道迷い」シンポのあと 『山岳読図大全』を読み直してみた

2015年3月14日 シンポジューム 関西大学(高槻市)
「道迷い」シンポジュームでは いろいろな議論があった。

 読図 磁石 登山道 環境整備 レスキューなど 活発に議論された。

道迷い時の行動パターンについてのアカデミックな研究も有ったり、山岳団体でどう取り組んでいるのかなどの話もあったり 多方面な話題は 大変興味ふかいものがあった。

また 登る山域によって、また 低山 里山 高山 それぞれ違った「道迷い」が発生するので 山域の状況に応じた対策が必要になってくる。

大都市圏周辺の山域と 閑散な四国山地は 山域の条件が はっきり違う。

四国山地でも ごく一部の 著名山のメインコース以外は 大都市圏「道迷い」対策とは違った 四国山地の対策が必要になると思う。

当日 あまり 話題に出なかったことなど 「四国山地むけ」の「道迷い」を 整理しながら、シンポジウムで司会された村越さんの著書。

 『山岳読図大全』村越 真 著 2011年 山と溪谷社を 改めて 読みなおしてみた。

村越さんの いくつも発言 「ニュージーランドの 標識」など この本をひもといて 改めて 納得。

読図だけでなく 登山の総合力を 高めていく事が大事だと感じた。

以下 「道迷い」 について いつも思うことなど、大都市圏の山域とは違った 四国の狭い 山域での 「道迷い」私見である。

-------------------------
1 歩いたところが道になる
-------------------------

■もともと 歩いたところが道になるぐらいの 気持ちをもって 未整備な山域を主体に 山歩きしていれば 「道迷い」 などは いくらでもあること。

地図・磁石あっても いつも半信半疑で まわりの状況に つねに野性的な触感を働かせ ルートの保持に 十分に注意しながら 進んで行けば、ほんのチョットした異変にも すぐ気づき たちまち 冷静に対応して 軌道修正しながら すすんでいくことができる。

■はやく気づき 冷静に対応していけば 決して 「大迷い」に陥ることもない。

小さな迷いは 「迷わぬものに悟りなし」のことわざのとおりで よくあることで まったく 問題なく、すぐ復帰できる。

もっとも 冬場 天候が 極端に悪い 低視程のホワイトアウト時は やっぱり苦労するのだが。。。。

■ともかく 「道迷い」対策の ポイントは いかに はやく 「気づき」 「いかに 冷静に 対応できるか」だと思う。

-------------------------
2 気づき
-------------------------

■どうも 「ちがう方向」に進んでいるな、どうもおかしいな、とか、とうとう 道に迷っているのでは?

いつ どの段階で「道迷い」に はじめて 気づくことができるか?

「道迷い」の気づきは はやければ はやい段階ほど 修正は簡単。

「道迷い」に気づかぬまま 深みにはまっていけば、傷口は どんどん深くなる。

■「道迷い」に まったく 気がつかぬまま とうとう 崖の縁にきて 立ち往生してしまって、はじめて 「道迷い」に気がつく という場合などは
往々にして心理的なパニックに陥る。

はたして 「道迷い」の どの段階で 気がつくことができるか?

■できるだけ はやく気づく ようになるには 「つねに疑いを持って」 「謙虚な気持ち」で 落ち着いて つねに 周りの状況に注意しながら 進んでいかなくてはいけない。

風向き 沢音 雲 自然物などを 静かに 観察できる 幅広い 精神的な心の安定さが 落ち着きの 前提になる。

常に 落ち着いていれば 何事にも 疑いつつ すべてに 対応しながら より多くのものが見えてきて 気づきもはやい。

-------------------------
3 パニック
-------------------------

落ち着きの心の安定とは正反対が パニック。

■「道迷い」に気がつかぬまま 突然 崖の縁などにきて パニック。

「道迷い」は 心理的に あせりから パニックなどに陥りやすい。

動悸が はやくなり 視野が狭窄し、思考能力が低下する。

■「道迷い」は 登山者から 冷静な判断能力を たちまち奪いとってしまうのだ。

「道迷い」は 瞬時に 登山者をパニックにし 心理的に 絶望的な状況に陥らせ 冷静な判断力を失わせる。

■こうしたとき 「道迷い」から抜け出すには はじめに 十分 気を落ち着かせることが必要だ。

■精神的に安定すべく 腰を据えて まわりの状況をじっくり 観察把握してみて、 ここまで 辿ってきたルートなどを 思い起こしながら、 現在地の把握など 手がかりをつかんでいくなど さまざまな手立てを手順をよく いかに 冷静に対応できるかにかっている。

■迷って パニックってからだと 地図を見ても 現在地などは すぐには 判断できないだろう。

が、気を落ちつかすことで いろいろな 手立てが 浮かんでくる。

風 音 触感など 五感が 効いてくれば いろいろなことが見えてくる。

-------------------------
4 「道迷い」は95パーセントが無事救出
-------------------------

■「道迷い」は山岳遭難統計のうち 4割占めているが、

「道迷い」の 95パーセントは 無事救出という。

■「道迷い」が一次的要因なのに 二次的に 転倒滑落墜落などに 発展していくことも多い。

■また「道迷い」中の 悪天候のもとでは 急速に体温が奪われて 低体温症に 陥ってしまったりする危険もある。

■もし低体温症に ならないよう注意していれば、じっくり落ち着いて 冷静に判断して、足元に気をつけて 転落滑落に注意すれば、そう危険なことはなく 95パーセントが無事救出される はずだ。

■携帯電話などが つながって 110番・119番で 通報できるかという点はあるが 携帯通話可能圏内なら 95パーセントが無事救出できるのである。

(携帯電話での 救助要請の通報は必ず 110番・119番を使用する GPS情報が えられやすい)

■ともかく「道迷い」から パニックって 動きまわり 滑落・転倒・転落につながることだけは 避けたい。

-------------------------
5 頭を冷やすな 低体温症に注意
-------------------------

■世間では 「頭を冷やせ」とか よくいわれるが

山の中では 春秋冬など 寒い時期 など 体を冷やすのもよくないが、頭を冷やすのもよくない。

■というのも 頭を ぐんと冷やすと 脳の思考能力が低下することにつながるからだ。

「頭を冷やすと」たちまち 思考停止。

■実際 過去の「道迷い」遭難者のとった問題行動のうち いくつかは 低体温症から 脳の思考能力低下に起因していると 推測されるらしい点が多々ある。

■冷静な 脳の判断能力を維持するために 山中では低体温症にならないのは勿論のこと さらに「頭を冷やすな」が大事。

-------------------------
6 パニックに陥らず 冷静な判断能力維持すれば かなりの割合で解決する
-------------------------

■日本の「道迷い遭難」の無事生還率 95パーセントということは
下手に 携帯電話など通報手段が発達し 手軽な救助要請が増えてきている証拠なのかもしれない。

■従来の組織化された山岳団体に属する登山者(通称 「組織登山者」)は平均的に 道迷い遭難の比率が少ないという ことは
登山総合力、読図スキルなどの向上で 「道迷い」が 少なくなることを 明確に 示している。

■山は自己責任という基本にたって、 普段から 登山総合力とか 読図スキルを磨き 、あくまで 自力で冷静な判断ができて、つねに冷静さを維持できるようにすれば、 「道迷い」もせず 、安易に 救助要請することもなく、 より 安全な登山が楽しめるのではないだろうか。


■2014年 石鎚山系の山で  レスキュー隊員が救助中 死亡する事故があった

■『空飛ぶ山岳救助隊―ヘリ・レスキューに命を懸ける男』羽根田 治 著 山と溪谷社 1998 の本もある ヘリコプター救助の第一人者だった 篠原秋彦さん 救助作業中 転落死亡 2002年。

■2009年 奥穂高 ジャンダルムで 岐阜県防災ヘリ 墜落。

■実際のヘリ救助の動画を見ると ヘリ救助が いかに大変で 難しいかよくわかる。

簡単ではない ヘリ救助。

携帯電話からの通報で 安易に ヘリ救助を求める 遭難者が増えているというが、以下の動画を見れば ヘリ救助が いかに大変危険な作業なのを再認識すると思う。

登山者は、要救助者となって ヘリに ピックアップされることなどないよう くれぐれも安全登山に心がけ 無理のない計画で 慎重な行動をしたいものだ。

■山岳遭難での通報手段として

いまでは山岳遭難の通報手段として 携帯電話からの通報が一番 多いのだが

携帯電話についている GPS機能など 位置情報を 活かすには、遭難者「要救助者」が携帯電話で 直接 110番か 119番へ 電話するのが一番。

第三者経由 たとえば 家族 山小屋 など経由依頼したのでは 携帯位置発信情報が 特定把握できない。

■出動指令を受けてから、ヘリが出動するまで

【神戸市航空機動隊】
https://youtu.be/wTEZmAl9-KM

■位置がわかっても 山中 ヘリ上空からの視認は難しい

目立つような ストロボ とか派手な色彩 動きがないと 視認しにくい

山岳救助で通報者からはヘリがすぐそこにいるとの情報、地上からはヘリが良く見えていても、ヘリからは全く見えないこともある。

【神戸市航空機動隊】山中での上空からの視認の難しさ

http://youtu.be/7Oz65xPAArs


【神戸市航空機動隊】ヘリコプター出動現場映像

http://youtu.be/kj8R0eSMCRw

【神戸市航空機動隊】滑落からの道迷い

登山中に30m程度滑落、そこらから自力で登山道を捜しましたが、道迷い
今回はたまたま携帯電話が通じる場所であったため、早期に救出

http://youtu.be/45LlaFIE4v4

【神戸市航空機動隊】冬山での遭難

http://youtu.be/puTv-Oagkj0

【神戸市航空機動隊】クライミング中の滑落事故での救助活動 断崖絶壁

http://youtu.be/FZ-xg-TfB_c

【神戸市航空機動隊】レスキューストレッチャー取扱い説明
http://www.youtube.com/watch?v=1t0TIKl116c

【神戸市航空機動隊】レスキューストレッチャー

http://youtu.be/Z7CndKE_cEg

雪に覆われた 雪山。

夏道が雪にすっぽり覆われる程の積雪量のときは、安全なルートを的確に見つけ出して進んでいく ルートファインディング能力が必要になります。

それは 赤テープなどを探し出す能力ではありません。

的確に、地形を読み、積雪、雪質をよみ、読図 磁石などを使い より安全なルートになるよう 常に ナビゲーションしていく能力です。

夏道は 冬道とは 同じになる場合もありますが まったく違う場合もでてきます。

また山域によっては冬期には 夏道が危険な場合もありますので 冬は 夏道など 全く使えない場合が当然といったことも雪山では常識です。

ですから雪山で GPSに頼りきって 地図どおりの 夏道を無理やり たどるのは ルートファインディングではなく 大変 危険なことのなのです。

GPSを使うにしても たまにほんの 参考程度にする程度にとどめ

あくまで 基本のナビゲーションとしては 安全なルートを的確に見つけ出して進んでいく ルートファインディング能力を高めることのほうが 大切です。

ルートファインディング能力は あせらず じっくり 自ら体得することでしか 身につきません。

-------------------------------------------------

「ツアー標識もない、ほとんど人の踏み込まないような山域をツアーしようとするとき、最も問われるのが正しいルートを見つけてゆく能力の高さである。

これを磨くためには、一回でも多くのツアー経験を積むしかない。

だが ただ回数を重ねれば 優れたルートファインディング能力が身につくかというと、けっしてそうではない。

いつも誰か先導者の後について行動し、ツアー中一回も自分でコンパスも地図も出さず、なんとなく頂上に着き、いつの間にか下へ降りてくる人、あるいは、年数は重ねているが、つねにシュプールのあるようなポピュラーなルートばかり、出かけている人の場合は、実戦的なルート発見能力はけっして高くない。

 ルートファインディング能力を磨く最良の方法は、自分が先頭に立ち、パーティーを正しいルートに導かなければならないという責任感の下で、真剣に歩を進めることを出来る限り多く体験することである。」

北田啓郎 著 「テレマーク・スキーイング」 日本テレマークスキー協会編 山と溪谷社 1989年

-------------------------------------------------


私の場合 GPSはトラックログ取得が第一目的としています。

各 山行記録ウェブページ下部にトラックログ取得GPS名を記入しています。
http://shumiyama.web.fc2.com/2015/20150111yahaz.html

また最近は アンドロイドスマホに地図ロイド 山旅ロガーを入れています。
ヤマメモ ヤマレコ投稿用にはこちらが向いています。

SIM無し スマホを登山用GPSとして活用
http://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=869

-------------------------------------------------

雪上歩行の補助器具など使うには まず前提条件として
奥山に 分け入って ルートもわからず 右往左往することは大変危険なので
ルートファインディング能力 天候判断力 行動能力 登山技術など
雪山の総合能力を高めていく必要が まず前提。

そのうえでも  一日の中でも高度 日陰 斜面など どんどん変化していく 雪質は 一筋縄ではありません。

どんな雪質がでてきても それなりに 対応できるようにさらに 総合力 技量を磨いておかねばなりません。

どんな 補助具を使うかは その人のもっている 技量で 自ら判断し決めていくことです。

補助具を使ったからといってラッセル力が上がり いきなり 総合力が一気にアップするものでもありません。

総合力は 地道に コツコツと ステップ アップしていくことです。

-------------------------------------------------

10年前の拙作ウェブページですが 以下のURL

http://shumiyama.web.fc2.com/yomoyama/snowshoes.html

★最後に 何より注意したいのは 安易に 雪の奥山へ 簡単に入っていけることで 起きる問題です。

無雪期とは 格段に厳しい、気象条件など、よく考え、雪の奥山へ、入るときの 危険を 十分認識して、それなりの準備と 装備を整えて くれぐれも
安全登山に気をつけたいものです。

-------------------------------------------------

道迷い 「迷路のまち」



道迷い




迷路のまち。



入り くんだ 細い路地。




ここを 地図も磁石も GPSも 持たないで、人に道をたずねたりせず、自動車の通る道を避け、できるだけ 細い路地ばかりを時間無制限に 迷って 迷って 迷い 通す。

これこそ 山での「道迷い」防止のための 絶好のトレーニング場となる。


よく「道迷い」遭難防止対策として 登山者は 地図を読み解く「読図力」とか 地形を読み取る 「地形判断能力」を 勉強したり 訓練したりする。

これらは 山では 当然身につけておくべき あたりまえの能力であるが それだけでは「道迷い」対策として 十分ではない。

たとえGPSも 携帯しているからといって それだけで 道に迷わない とはいえない。

 「読図力」と 「地形判断能力」を 一応 体得していても GPSを携帯していても 十分活かせないのは、それは精神的な面から パニックになってしまう場合があるからだ。







ジャングルや砂漠だけ のことではない 山岳の「道迷い」も同様。

『世界のどこでも生き残る 完全サバイバル術
自分を守る・家族を守る』マイケル・S・スウィーニー著
日経ナショナル ジオグラフィック社 2011年 から引用

「ジャングルや砂漠で道に迷ったとことに気づいたとき、頑張ろうという反応に応じて副腎からホルモンが分泌される。このホルモンによって脈拍が上がり、呼吸は速く、浅くなる。
また、糖代謝が促進され、視野は狭まり、時間の経過がうまく認知できなくなり、ついにパニックを起こし、手や足が震えるようになるのだ。」

「生存をかけたサバイバルの状況下で、心のなかにわき起こる不安感といった強い感情は、人が持つ理性的な考えを打ち消す傾向にある。道に迷った人の多くが、理屈では引き返して足跡をたどるべきところを前進し続け、さらに深みにはまっていく傾向がそこにある。

生き延びるための極意は、感情的なエネルギーをコントロールし、それを建設的な方法に使うことで、生存への正しい行動を導くことにある。」

ナショナル ジオグラフィック
『世界のどこでも生き残る 完全サバイバル術
自分を守る・家族を守る』マイケル・S・スウィーニー著
日経ナショナル ジオグラフィック社 2011年8月29日第一版
ISBN:9784863131460






 「読図力」「地形判断能力」など それらを 十分 活用できる前提条件は どんな苦境に陥っても パニックにならないよう つねに冷静に対応できるように メンタルな面で鍛えておくことだ。

感情をコントロールでき 精神的にタフになるよう 常に 訓練しておくことが大切だ。

しかし 道迷いの経験の 山歴を 数多く 積み重ねたり、わざと 道迷いするように山中で 実践的に 訓練をして 精神的に 鍛えるには 長い時間もかかるし その間の リスクも高い。

こうした 「迷いのまち」など 安全な 「迷いの迷路」で 迷いこんで 迷い つづけて 「迷い」を 実験的に 積み重ねていくことで 感情コントロールを経験的に高めていけば、 「道迷い」を 楽しむ精神的余裕もできるなど どんな苦境の場合でも パニックなど起こさないで 冷静に対処できるようになるだろう。

「迷わぬものに悟りなし」
わざと 細い路地に入りこんで 迷って迷ってみる。
 迷いの迷路で 悟りの境地に達するかもしれない?




迷路には ところどころ ケルンのように 目印がある。

平成23年3月5日撮影 樹林帯を抜ける。

 

牛の背の遭難に思う

平成23年3月5日牛の背 三嶺の縦走。

この山域で平成23年3月6-7日にかけて道迷い遭難があった。

率直に いって ともかく 全員無事で何よりでした。

とかく遭難事故を 当事者でないものが 一部の断片的情報だけで 単純に判断し 後出しジャンケンのように あれこれと遭難者を批判・非難したりするのは 私は好きではない。

ただ 私の 牛の背の過去の体験 からいえるのは、3月5日現在 牛の背(三角点) の登頂回数は286回

うち 積雪期 風雪の 牛の背で 迷いに迷って彷徨したのも多数。

こうした苦労した中で ことに数メートル以下になり 極端な低視程状態で 全く 一寸先 足元 天地の見極めすら つかない いわゆる全くのホワイトアウト状態も何度も経験。

GPSを所持する きっかけになったのもこの 牛の背のホワイトアウトで苦労したのが原因。

200回以上の 多数の経験あれば 少々の低視程では大丈夫 と思っていても やはり 低視程の状況によっては 方向感覚が狂い地形判断ができなくなりハットすることが いまでも多々ある。

風雪のもと 刻々と変化する変幻自在な積雪状況では 無雪期の地形が全く変わっていて、あらゆる変化のケースを人間が読み切ることなど とてもできない。

地図磁石をもとに 五感すべて集中させても 白一色 足元だけの 雪の付き方 僅かな地形の傾き 地形の方向 風向き 風紋などの限られたインプット情報のみでは 読図・地形判断を誤るのだ。

所詮 人間の200や300回程度の経験では 自然のほうがはるかに変幻自在で 上手をいく。

やはり 低視程は 本当に 恐ろしい。

明日は我が身。

今回の遭難騒ぎを 他山の石として、山の危険を再認識して、自分の今後の山行の戒めとしていきたい。

 

低視程の牛の背

liom-2010.jpg


2010年6月19日

ガスで低視程の牛の背を下る。途中 大きな特徴のある岩は 道しるべの 目印となり助かる。


視界が効かないので まず 足元を観察し 大地の傾き 傾斜の向きなど 地形を読み取りながら下る。

だがよく見れば 濃い霧の中でも 目印はいくつもある。

 途中には ほかにも 岩や 木など 見覚えあるものなど いくつもあり これらをガスのなかでも しっかり 視認し 適宜つないでいけば 迷うことなく 進んでいける。

要は 自然の地形 岩 木 を 目印にすれば 人工的な 赤テープ類に 頼らなくてもよい。

ルートファインディングとは赤テープを探すことをではないのだ。 

林業用とか 国土調査 測量用などは 本来 別の目的である。

 登山用に限れば 大体において 山域に精通した人ほど 赤テープ類など つけることもない。

やたらと 赤テープ類をつけるたがるのは 間違いなく 熟達者ではない。

 ルートに対する不安感がある人とか  犬の放尿マーキングのような 自己顕示欲の強い人 が 残置赤テープでゴミを増やしているのではないだろうか? 

-----------------------------
私製標識 残置テープ
人の持ち物に 無断で自分の名前のタグをつける。。。


かなり以前のことであるが そのころ通っていた ある山域。

その 山の中で 出会った 地元の林業関係者から 登山者のつける「テープ、私製標識類」に 厳しい苦言を 直接 聞いたことがあった。

手塩にかけて 植林して 育てている 木々に やたらと テープなどつけるのは何事か? 人の山に来て 無神経ではないか。

もともと 赤テープ反対派の私は そのとき「そうですね」と相槌を打ったが、

そのとき 「○○山岳会」などの名前入りでつける標識など とくに 非難が集中していた。

いわれてみれば 人の持ち物に 無断で自分の名前のタグをつけるような 行為といえる。


私有林 国有林 でも ほかに所有者にが おられる事ですから 山中に入らせてもらうだけでも有難いことだと感謝の気持ちをもって そっと静かに入り、たち去るのが登山者の守るべき 基本的なマナーだと思う。

赤テープ考

地図を見るより「地図を読む」。もっと大事なのは まず足元

地図を見るより「地図を読む」方が大事というが、それとともに もっと大事なのは まず足元をみること。

足元とは 自分のいる 地形を よくみて、周りの地形を読むこと。

そもそも3次元的なものを 表現するには  立体模型なら 一番良いのだろうが 簡単には携帯できない。ポケットにでも入る 地図というのは 等高線などで表現されていても 結局は平面的なものだ。

地図では 実際は3次元の地形が 等高線などで2次元に 落とし込められている状態。
地図を読むには 地形を読みとり、想像力を高めておくことが 必要だ。

地形が頭に入っていて、地図が頭に入っていれば、素早く 地形が想像され 立体的な地形が頭の中に 精密に 描かれるだろう。

結局は 地図を読むことは 実際の地形を 想像するのを 助けてくれるだけなのだろう。

「雑誌西山山頂」として「私製標識」のある位置と 1341m標高点とは 距離110mの差があるようです。

雑誌西山

はたして 雑誌西山の 本当の山頂の位置は どちらでしょうか?

6cd4ab53e1121d1657667a968fb4d6d6.jpg

問題の「雑誌西山 私製標識」。その位置に疑問。
1341m標高点とは110mの水平距離がある地点に設置されている。

提案 紙製標識

「「私製標識」は残置すれば所詮ゴミです。

その点 紙製標識ならば 記念写真撮影後 お持ち帰りするのであれば 全く 問題はありません。」

2701e0dc5b70a1bc96f2c48a81fc6d70.jpg

縦走路の標識は笹に埋もれる。

笹漕ぎ箇所 が所々出てきています。
「さんれいの風」さんのサイトによれば 刈り払いは2007年。わずか2-3年で これだけ笹の繁茂とは、成長が はやいですね。

http://sanrei-30.web.infoseek.co.jp/taku-sanpo/sikoku-2/071108karaike.html


地図 磁石 GPS 持っていても


道迷いに陥った、悪条件のもとで 地図 磁石 GPSを使いこなすことができるかどうかの話題です。


★ 残置ザック 3個 

平成5年(1993年)の道迷い遭難
遭難者の残置ザック 徳島県美馬郡つるぎ町 山中にて
8-20040502-sac4458.jpg
平成16年撮影の残置ザック

平成5年(1993年) 8月25,26日
道迷い遭難者がヘリコプターで救出された。あとには ザックが3人分 残置されている。


「平成5年(1993年) 8月25日午後四時ごろ、
徳島市内のアマチュア無線家から通報-----
徳島県警のヘリ「しらさぎ」が現場に急行して捜索に当たり------
2人を救助したが、一人は霧のため救助できなかった。-----
26日午前7時半から「しらさぎ」を出動させて救助に当たる。」

平成5年(1993年) 8月26日 徳島新聞記事より



平成16年5月2日
平成16年5月8日

遭難から13年後のザック
9-2006-02-26-10-48-013.jpg
雪解け と 雨に 洗われた 残置ザック

平成18年2月26日撮影


★ 地形図

「アセる気持ちを落ち着かせようと、小休止して地形図を取り出して眺めてみた。
しかし、視界がきかないうえ、いまどこにいるのかわからないのでは、地形図が
役立つはずもない。どうしたらいいのかわからず、しばらくその場に立ちつくした。
絶望感がじわじわと胸に広がっていった。」
20001年1月 常念岳 遭難
月刊誌「山と溪谷」 2006年2月号 「特別企画 道迷い遭難を防ぐ」より
羽根田 治 氏著


★ 出版物から

この雑誌の記事に限らず 過去の道迷い遭難事例で 生還した事例について
詳しく 検証した 書物類は 最新の出版物 など いくつかあります。

最近 道迷い遭難につて いろいろな 本が出版されている。
「ドキュメント道迷い遭難」 羽根田 治 著  山と溪谷社 2006年1月

「山の遭難 生きた 還った セルフレスキューの秘訣」永田秀樹編 東京新聞出版局 2005年2月

「生還 山岳遭難からの救出」羽根田 治 著  山と溪谷社 2000年10月

これらは 道迷い遭難の事例を記述していて、遭難防止の点からも 大変貴重な教訓を与えてくれます。


「焦る気持ちを落ち着かせようと、小休止して地形図を取り出して眺めてみた。
しかし、現在地がわからず、視界がきかない以上、なんの問題の解決にもならなかった。
「やばい これが遭難なのか」
嫌な思いが頭をよぎった。
とにかく稜線に出ようと斜面を登り詰め、稜線らしき場所に出たような気もしたが、そこからどこへ行っていいのかわからない。
ならばと引き返していくと、風当たりがいっそう強くなり、再び雪も深くなってくる。

どうしていいのかわからず、「○○」はしばらく その場に立ちつくした。
絶望感がじわじわと胸に広がっていった。

「このままでは 死んでしまう。なんとかしなければ・・・・・・・」    」

北アルプス・常念岳 2001年1月
「ドキュメント道迷い遭難」 羽根田 治 著  山と溪谷社 2006年1月


★ 低視程 で 道迷い

天候は 風雪模様、
 低視程 で 天地の区別のつかない 白一色の ホワイトアウト状態。
歩いた足跡は すぐ消えてしまい 元来たトレースも たちどころに 消えてしまい 、
どちらから来たかも わからない状態になる。

積雪が多く 夏の標識などもあってもすべて埋没、
見渡しても 何も目標物が見えないし、
地形が全く平坦で 特徴がつかみにくい。 
木が生えてなく 植生からの情報もとれない状態。

 積雪期の山では よくある気象条件です。

この条件下では 晴れていれば なんで こんなところで迷うのかと思われるような
ところでも 簡単に 道迷いが発生します。

ましてや 複雑な地形や 平坦な特徴のつかみにくい平原状のところでは
しかし  低視程時、現在地が特定できず、ナビゲーションしていくのは 大変難しいのです。

10-img_8662-11.jpg

天地の境がわからなくなる「ホワイトアウト」。
低視程時を選んで行動する雷鳥に言わせると、
「ホワイトアウト」とは人間の側の問題であって
単に「言い訳」に過ぎないということかもしれない。


★ 地図が読めればもう迷わない。

「地図が使えるようになるためには、地図の特性とそれがもたらす限界や副作用を知り、
それを乗り越えるスキルを身に付けることが必要になる。
それができて初めて、「地図があるから迷わない」と言える。」

「地図が読めればもう迷わない」 村越 真著 岩波書店 2004年1月


★ 読図がきちんとでき GPSを持っていたら

GPSの機器がプロ用だけで まだ 一般に普及し始める以前の段階では
道迷いは地図や磁石がの活用ができていないからだ。 
読図方法をもっと習得すべきだとかいうことがありました。

しかし 実際 磁石 地形図を持っていても それを使いこなすには 
前述のようにそれなりにスキルの習得や経験がいります。

最新出版物で記述された 道迷い事例をみてみると
掲載された事例では どれも 比較的新しいので、
もしGPSを持っていたら、ということが ほとんどの事例にも当てはまります。

かりに 読図方法は前述のように ある程度の習得で身に付けたとしたしても、
今日ではGPSの機器が手やすく一般用に普及しただけに
 道迷いの時にはもっと活用されていいのでしょう。


★ 地図 磁石 GPS 持っていても

雪がたっぷり積もった積雪期 風雪模様の 低視程のホワイトアウト。

こうしたところでは はじめは現在地がわかっていても
一度踏み入れたら トレースはすぐかき消され、
元に戻るのにも苦労して、 一度踏み入れたら うまく戻れればいいいが 何度か戻ろうとしても戻れないとき、

気持ちは だんだん焦っていき 慌てて 動転していく悪い循環パターンに入る。

こうして 彷徨が始まり リングワンデルング(環状彷徨)で元に戻れば まだいい方で
全く違う方へ 彷徨していく。

平坦地で 始まりの位置が わかっていれば そこに戻るのができれば 
それだけで いいのですが、それが できない。

そして 焦り 慌て はじめた気持ちは 振幅が大きくなっていって
 ますます 歩き回り わからなくなっていく。

多分 一度 動転し始めた気持ちを 冷静にするのはなかなか至難のこととです。

大方のケースは 動き回り 更に出発地点がわからなくなり、
まったく 現在地を特定することができず、
地図磁石では どこにいるのか わからなくなります。

こうした心理状態で冷静さがないときは GPSも まず活用できません。



★  まず 心を落ち着けて冷静さを取り戻すことがまず一番 大切。

実際 地図磁石を持っていても 冷静な判断ができる心の平静さが
厳しい気象条件下では 絶対必要です。

そうしたとき 
慌てて 地図を出している内に 地図が激しい烈風に吹き飛ばされることもあるかも
しれません。

予備の地図も 風雪の積雪期登山には 必要なのでしょう。
もし 予備の地図がないなら 風雪のもとでも 地図は絶対吹き飛ばされないよう
細心の注意を払いながら 気合いをいれて 取り扱うべきです。

悪条件のもとでは
まず 心を落ち着けて冷静さを取り戻すことがどんな場合でも
まず一番 大切なのです。

そうすれば白一色からの中でも 焦っていた気持ちのもとでは見えてこない
 いろいろな情報が読み取れるようになります。

冷静になればなるほど
地形の読みが より深くでき 読図の正確さも増して 道迷いを避けることができます。

実際、
烈風の吹きすさぶ 風雪模様で、
低体温症とか 脳の体温低下で思考能力低下とかの障害が出てきた場合。
言語障害が出てくるような体感温度が低下している状態。

こうした状況では、登山者は判断能力は低下して
次第に 追い込まれていき 一瞬 気持ちの緩みが出てきます。

同行者がいても お互いに コミュニケーションも満足にできず、
同行者 すべて 条件は だんだん厳しくなっていきます。

こうして 一瞬の心の緩みの 振れが大きくなって行き、
 一度 乱れた 心の平静さは なかなか 取り戻せません。

11-2005-12-17-13-29-0131.jpg
低視程20m位の 白一色。

方向を定めて 慎重に歩いていくと 
目の前に突然 見覚えのある岩が現れ ほっとする。

平成17年12月17日


★ 表向き 心の平静さを取り戻しても

それでも何とか 風を避ける場所に入って、
 表向き 心の平静さを取り戻しても、
通常よりは判断能力は低下しています。

その状態で 読図 現在地推定の作業をしてみても 簡単には 現在地は特定できません。
何となく 不安のままの結果しかえられません。

こうして再び 不安なまま 行動しいくと 更に不安が増幅していく結果になります。

こうすると ますます深みに入り込んでしまうケースになる場合があります。


★ 深みに入り込んでも どうしても現在地が わからないとき 方策は まだ まだ あります。

この場合

深みに入り込んで どうしても現在地が わからないとき 方策は まだ まだ あります。

ツエルト 雪洞などで 一時待機して 視程がある程度 回復するのを 長時間 辛抱強く待つことができるか。

ある 瞬間 ガスが切れることも よく あるのです。

GPSがあれば現在地を特定できますが あらかじめトラックログをとるべく 
電源を入れっぱなしにしていると
トラックバック機能で 元来たほうへ 戻ることができます。

またルート設定や ウェイポイントなどあらかじめ 入れ込んでおけば簡単に、
 小屋 や 既知の場所へ戻れます。

最近の 地図入りのGPSでは 地図上の ポイントが GPS画面上に表示されます。

現在位置を特定できれば、不安な状態から脱出できて、自信をもって行動できます。


★ しかし GPSを使いこなすのも

しかし GPSを使いこなすのも あらかじめ習得しておくことはもちろんですが、
より 大事なのは 使いこなすには やはり 心理的に安定状態でいるという
冷静さが絶対必要なのです。

地図 磁石 GPSすべて揃えていても 心の平静さがないと 機器を生かし切れず
 現在地もわからないことになります。

深みに入ってしまい 彷徨し続け 長時間 吹雪かれ 
脳を冷やせば 思考能力は更に低下し、
体全体が冷えてしまえば 低体温症にでもなれば
判断能力は更に低下し 体力 気力 急速に落ちてしまい
もう現在地どころか 地図磁石 GPSなど使いこなす どこでなくなってしまいます。

このようなとき 思いこみが行動を支配します。
思いこみは 全くアテにならないものです。そして ますます 彷徨状態へ入ります。

こうして 歩き回った末 やがて 自力脱出不可能な 「遭難状態」に陥ってしまうのです。


★ 日本アルプスの黎明期

大昔 日本アルプスの黎明期には先駆者は 猟師などの山案内人に先導され登っていた。
その当時の紀行文を読むと ガスにまきこまれ 道がわからなくなってしまったときなど、
案内ガイドは どっしり腰を落ち着け キセルをふかし 落ち着き払い その場を動かなかった。

やがて ガスは切れて 行き先の山容が見えだし、全く慌てることなく ルート設定
ができ無事行程を行けたという紀行文などあります。

山の基本は その当時でも 今日でも たとえGPSはあっても そう変わっていないのです。

冷静さがあれば それなりに対処できる。
これは昔も今も変わらない
GPS 地図磁石以前の問題なのです。



★ 「快晴無風の山頂、トレースばっちりの雪道を10年歩いても 経験の蓄積はあまりない。」角谷道弘氏 「岳人」2006年2月号
「岳人」2006年2月号

「 私の持論では、人間は自分が体験してみないと本当に理解したとはいえない、と考えている。

書物でいくら 危険を学んでも、実際には十分役にたたない。
ヘッドランプを忘れて山へ行き、日が暮れて夜道に苦労し、山中で一晩過ごせば、
今後絶対にヘッドランプと予備電池は忘れなくなるだろう。

マイナス一五度の気温で素手でアイゼンをつけ、手袋を濡らして凍傷になって初めて、
素手になってはいけないとわかる。
稜線で吹雪かれて 初めて、吹雪かれたらどうなるのかわかるのではないか。

そういう意味で 死なない程度の失敗を重ね、そのピンチを乗り越えることが、
その登山者の本当の経験になっていく。

快晴無風の山頂、トレースばっちりの雪道を10年歩いても 経験の蓄積はあまりない。
しかし、死なない程度の有効な失敗の経験を続けるのは大変難しい。
失敗することで 、人は考えることを身につける。-------」

角谷道弘氏 「岳人」2006年2月号


★ 「だが ただ回数を重ねれば 優れたルートファインディング能力が 身につくかというと、けっしてそうではない。」北田啓郎 氏
  「テレマーク・スキーイング」 日本テレマークスキー協会編 山と溪谷社 1989年

「ツアー標識もない、ほとんど人の踏み込まないような山域をツアーしようとするとき、最も問われるのが正しいルートを見つけてゆく能力の高さである。
これを磨くためには、一回でも多くのツアー経験を積むしかない。
だが ただ回数を重ねれば 優れたルートファインディング能力が 身につくかというと、けっしてそうではない。いつも誰か先導者の後について行動し、ツアー中一回も自分でコンパスも地図も出さず、なんとなく頂上に着き、いつの間にか下へ降りてくる人、あるいは、年数は重ねているが、つねにシュプールのあるようなポピュラーなルートばかり、出かけている人の場合は、実戦的なルート発見能力はけっして高くない。
 ルートファインディング能力を磨く最良の方法は、自分が先頭に立ち、パーティーを正しいルートに導かなければならないという責任感の下で、真剣に歩を進めることを出来る限り多く体験することである。」 

北田啓郎 著 
    「テレマーク・スキーイング」 日本テレマークスキー協会編 山と溪谷社 1989年


★ 畳の上の水練 実際に経験すること

畳の上の水練ということわざがありますが、
頭でわかっていても さて それが 実際山の中で できるかどうか。

まず実際に 危険のない範囲で 経験してみないといけません。


★  経験は大事だが 人のあとばかり ついていたのでは ナビゲーション能力はつかない。

経験は大事だが 実際 自分で主体的に 歩くことを経験しないと 経験は生きてきません。
能力は身に付きません。

人のあとばかり ついていたのでは 実践的ナビゲーション能力はつきません。

やはり 自分で 道を切り開く 苦労を実際積んでこそ 経験の蓄積ができてくるのでしょう。

 自分が先頭に立ち、パーティーを正しいルートに導かなければならないという責任感の下で、
真剣に歩を進めることを出来る限り多く体験することである」北田啓郎氏

道迷い「迷わぬ者に 悟りなし」

山岳遭難で多い道迷い


2006年2月28日 第1版

趣味の山歩き ますます深くなる近くの山域」 趣深山 Copyright(c) 2002-2008

趣深山 HOME

地図 磁石 GPS 持っていても


「趣味の山歩き ますます深くなる 近くの山域」 趣深山
Copyright(c) 2002-2008  趣深山 All Rights Reserved

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち道迷いカテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリはツアー登山です。

次のカテゴリは有法子です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 6.1.2