『山岳雪崩大全』雪氷災害調査チーム 編 2015年2月5日 初版 山と溪谷社

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『山岳雪崩大全』雪氷災害調査チーム 編 2015年2月5日 初版 山と溪谷社

 『最新雪崩学入門』1996、続編 『決定版雪崩学』2002 に続く 続々編といえる本で 雪崩について ことに 登山 スキー、スノボ などの対象となる山岳地帯での雪崩についての最新の 知見が盛り込まれている。

事故事例の分析も 新しい。

2013年11月23日の立山 真砂岳での7名死亡
2012年の三段山
2011年 猫魔ヶ岳
など など

もとより 雪は

「こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪 みず雪 かた雪 春待つ氷雪」
など どころではない ぐらいに

つねに刻々と 変化し 氷か、水か、大気に昇華か などと 七変化どころか 変幻自在に 千変万化する。


降雪後 雪質や形の変化とともに 天候により 場所的には 同じ場に とどまって いる雪もあるし 風に飛ばされたり 重力にしたがって 移動していく 雪もある。

短時間 あるいは 長時間かけて 地球の重力の法則に したがって 低い方に 低い方に 徐々に あるいは 急速に 急激に 動いたりする雪も でてくる。

雪崩の速度は 新幹線のような 超スピードになったりするし、氷になって動く 氷河などは じわじわ と 年に何センチとか ゆっくり ゆっくりと 低きに流れるように 下に下に流れていく。

雪の変化 移動の 変幻さなど 姿や形や動きなど 人間がすべて わかったとして理解して 雪の動きを予測し 察知するのは、たいへん難しいことだ。

たとえ ほんの少しの 雪の動きの 予兆でも 細心の注意で 探し出すことさえも そうたやすいことではない。

むしろ 本書を見れば 雪の変幻さは ますます わからないことの方が 多いのでは と思ったりもする。

実際のところ わからないことばかりなのだろう。

そんな状態でも 我々は どうすれば 少しでも より 安全に 雪山に接することができるか?


 雪山では どう準備し どう行動すれば ど少しでも危険リスクを減らすことができるのか?

そして 不幸にも もし 万が一 雪崩にまきこまれたときの対処の方法 など  しっかりした指針を本書は示唆してくれて、最新の情報がしっかり盛り込まれ 「大全」にふさわしい 内容になっている。

 この本を読んで とくに ずばり気をつけなければと 思ったのは 以下の

 佐々木大輔氏の 実際体験の話。


「-------他人のシュプールがどれほどあっても、安心はできない-------」
というのを

 スキーヤーを 登山者流 で言えば

「他人のトレースがいくらあっても 安心はできない。」
ということになる。


以下 本書からの引用。182-183ページ 佐々木大輔氏
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■2006年2月フランス トロワバレー クーシュベル。

(ガゼックスとは ガスによる人工雪崩発生器)

「------ガゼックスによるコントロールがあり 数百人の滑り手が滑った後であっても、時には雪崩のトリガーになるスイートスポットが残る、ということだった。」

■2013年11月23日 立山

(この日 7名死亡の雪崩遭難が発生した)

「 すでに 数十人の滑り手がこの斜面を滑っていたのだが、この夕方近い時間までスイートスポットが残されていたようだ」

「このふたつの事例を間近に体験し、他人のシュプールがどれほどあっても、安心はできないと心に刻み込んでいる。」佐々木大輔氏
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