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洗掘


★恐れ入りますが 登山靴の方は スリッパにお履き替え下さいませ。

下の写真は ある地方の 著名山の麓にある 入浴 宿泊施設の玄関にある 看板です。

百名山登頂後に 温泉に 入浴される方が 多いのでしょうか、 
日帰り 入浴の案内看板と 登山靴ご遠慮の看板が 入口にあります。

登山靴は  重厚な重登山靴はもちろんのこと たとえ 軽登山靴であっても、登山靴のままで 大勢が歩くと ホテルなどロビーに使われている 柔らかい素材の絨毯や カーペットに 過重な負担と消耗を与えるのです。



「恐れ入りますが 登山靴の方は スリッパにお履き替え下さいませ。」

★山中でも 歩いたところが道になります

自然豊かな 獣道主体の山域に 登山者が 押しかけてくると やがて獣道は 登山道化 していきます。

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大勢の人の 踏み荒らしは それなりの影響を 与えるようです。

●里山のような 山域で わざわざソフト靴の使用を 推奨している 山域もあります。(和気アルプス 様)

「 柔らかい靴底の着用やローインパクトな歩き方を啓発していきます 」


★踏圧の蓄積

●環境省 HPより 踏圧の蓄積と植被率に係わる実験 

http://www.env.go.jp/nature/ari_kata/index.html


意外に 人の 踏み痕は 動物の足跡より 大きく 地面に影響を与えるようです。

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★ 登山道の洗掘

平成17年7月9日の大雨の名頃からの 三嶺の登山道

 

オーバーユースによる洗掘がひどく 登山道自体が 小川になって 流水が延々と勢いよく流れ
どんどん浸食されているといった 状況で手入れされていない 登山道は  それ自体が水路になることを
実感した次第です。

色々 議論がありますが 
大勢の登山者が 押し寄せる山では 何らかの対策が必要です。

三嶺の場合 ロープウェイー モノレール 高山植物園 
問題が出るたびに 有名になり まして よけい 人が集中してしまいました。

高知側からの 登山道が それなりに 登山者の量をコントロールしているのと比べ
名頃から 三嶺林道終点からの 登山者の 多さはオーバーユースを起こしています。

三嶺林道の一般車通行禁止処置は オーバーユース対策として 一般的に どの山域でも  一般車の規制は オーバーユース対策として 著名山では よく行われているのが 現状でそれなりに 効果が期待されます。


三嶺利用適正化推進事業 だけが オーバーユース対策ということでもないのですが 適切な施設が出来た後は
今後のメンテナンスが適時 行われることが 大事になってきます。

●洗掘の例

環境省HPから

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★オーバーユース対策

●利用集中特定山岳地域登山歩道

利用集中特定山岳地域登山歩道整備事業
(通称:日本百名山登山歩道整備事業)
中高年等の登山ブームを背景に、登山者が集中して植生の荒廃や浸食を招いている日本百名山等の登山歩道について、自然環境を保全しつつ安全、適切な施設を整備。



環境省HPより引用
近年の中高年等の登山ブームを背景に登山者が集中し、登山道の荒廃や浸食を招いている登山道において、利用者の安全確保と自然環境の保全を図ることを目的とした施設を整備します。
公園名等 地域名 専業主体
蔵王国定 蔵王山 宮城県
鳥海国定 鳥海山 秋田県
蔵王国定 蔵王山 山形県
鳥海国定 鳥海山 山形県
磐梯朝日国立 朝日岳 山形県
磐梯朝日国立 月山 山形県
磐梯朝日国立 吾妻山 山形県
磐梯朝日国立 安達太良山 福島県
磐梯朝日国立 飯豊山 福島県山都町
国立・国定区域外 赤城山 群馬県
上信越高原国立 四阿山 群馬県
丹沢大山国定 丹沢山 神奈川県
公園名等 地域名 専業主体
中部山岳国立 立山 富山県
白山国立 白山 福井県
八ヶ岳中信高原国定 霧ケ峰 長野県下諏訪町
国立・国定区域外 木曽駒ケ岳 長野県木曽福島町
宮田村
国立・国定区域外 空木岳 長野県駒ケ根市ほか
国立・国定区域外 御岳 長野県玉滝村ほか
上信越高原国立 雨飾山 長野県小谷村
琵琶湖国定 伊吹山 滋賀県伊吹町
大山隠岐国立 大山 鳥取県
剣山国定 剣山 徳島県
霧島屋久国立 宮之浦岳 鹿児島県
環境省HPより引用

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★ 登山道の洗掘対策 環境省HPより引用

●むやみに過剰な整備でなく 状況にあった 適切な整備のレベルが 大切です。
●環境省 HPより引用 

http://www.env.go.jp/nature/ari_kata/index.html

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★剣山山頂 木道




剣山山頂の木道、 日が当たり 裸地化の防止と植生の復活が期待される。

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★施設の整備だけでなく 普段の こまめな手入れが 大切です。

涸沢
黒岳
室堂
●環境省 HPより 

http://www.env.go.jp/nature/ari_kata/index.html

どこも 少しずつこまめな 手入れがなされています。

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★水の処理と 「近自然工法の技術を応用した登山道の整備」

今後
●屋久島などで使われている工法をとりいれる必要があります。

「近自然工法の技術を応用した登山道の整備を試みている。そこに一貫して留意しているのは、大雨時の水処理である。人の歩道を確保する前に水みちを確認し、その流れを乱さないことを基本としている。」
http://www.ule.co.jp/tozanndou.htm
http://www.ule.co.jp/tozanndou.htm#yakushima

 http://www.ule.co.jp/kiki0204.htm
 http://www.ule.co.jp/index.html

●大台ヶ原
http://oodai.net/

http://oodai.net/2005/doc/0429hodo.pdf

【 登山道過剰整備 】 「大峰奥駈道」過剰整備 1 過剰整備 2 




排水を考えた 登山道整備

剣山方面は 人が多いものの いつも手入れがされており
登山道の洗掘は 少ない のですが いかんせん人が多いので
これには 常時 手入れされている 皆様の 努力には 頭が下がる次第です。

登山道のコンスタントな維持と少しずつの整備が 本当に大事なのことだと思います。

★登山道の荒廃

「登山道の荒廃とオーバーユース」橋本 敏

http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/05/1644/publication/sizen-joho2/sj0223over_use.pdf

考察
「登山道の有無にかかわらず山地の荒廃は起こるが、その根本的な原因は雨水であり、地形や地質、下層植生などによって荒廃の起きやすい箇所と起きにくい箇所が区分される。
荒廃の起きやすい地形・地質条件に、登山道、言い換えれば踏圧という要素を加えたとき、荒廃がいっそう加速され、そうでない場合には比較的良好な状態が保たれるといえる。これは、単純に登山者の多寡で説明できるものではなく、地形・地質条件と踏圧、雨水の3つの要素を重ねることによって登山道の荒廃が説明できる。(図1)以上のことから、オーバーユースの影響を受けやすい地形・地質条件で、雨水の集まりやすい箇所を重点的に整備することにより、登山道が荒廃する前に効果的な対策をとることができると考えられる。」
「登山道の荒廃とオーバーユース」橋本 敏

★『登山道の保全と管理』


表紙カバーの写真は 融雪期 大雪山国立公園 赤岳〜銀泉台間の登山道

『登山道の保全と管理』
渡辺悌二編著
2008年9月9日初版
古今書院


必要以上の 過剰な登山道整備は よくない。

利用者の人数 対象 行動 用途など、
さまざまな レベルに応じた 適切な登山道の整備、維持管理のありかた。
荒廃する登山道の 問題について色々な観点から きちんと纏められた本だ。

12章に 福留脩文 氏が書かれていた近自然登山道工法。参考になる。
登山道の荒廃とオーバーユース 橋本 敏氏 神奈川県 丹沢

過剰整備 「大峰奥駈道」  

2005年7月18日 第1版制作
2008年9月18日 更新

http://www.lnt.org/

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