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極地で生き抜く


シャクルトン隊




明治44年アムンゼン 大正元年 スコットの南極点到達のあと
1914年(大正3年)から1916年にかけて南極大陸横断を目標に南極に向かった
シャクルトン隊の記録、1年半もの苦闘のなかでは、どんなに最悪の状況に陥
っても、絶望することなく難局を次々と乗り越えていくこと、極地で生き抜く
ための大切な教訓を教唆してくれた。

スコット隊は遭難したが 28名全員無事生還したシャクルトン隊の記録はサバ
イバルの観点からとても参考になる。

どんなに絶望的状況でも決して乱れることのない素晴らしい統率力を最後まで
維持できたのも、隊の人選、組織から、人事配置、機材、などにはじまる綿密
な準備編成などがあったからだろう。
が、結局のところ、生き抜くという強い意志を持ち続け、一人一人の力を束ね
ていくリーダーシップがいかに大切さか教えてくれた。

そして もう一つ 絶望的状況下での 的確なナビゲーション技術の大事さ、
 現在地の把握が大事なことも教えてくれた。

「氷の罠にかかって、船は動きを封じられた・・・・。ところが皮肉なことに、
実際には船は動いていた。船を閉じこめた流氷が、船ごと北へ流れていたのだ。
潮のおかげで、流氷全体が時計まわりに、南極半島にそって西へ、そして北へ
と進んでいた。船長は太陽や星の観測から船の位置をわりだすと、海図に記し
た。間違いなく、船は北に向かっている。」

GPSなどなくても的確に現在地を把握していた。天測のナビゲーションに驚か
される。








『そして、奇跡は起こった!シャクルトン隊、全員生還』
ジェニファー・アームストロング 著 灰島かり 訳
評論社 2000年9月25日初版



『エンデュアランス号 シャクルトン南極探検の全記録』
キャロライン・アレクサンダー著 野上 司 訳
ソニー・マガジンズ
2002年9月17日初版

真冬の北極

真冬の北極を 歩いたり泳いだりして61日間かけて極点へ向かう 3人の極地
冒険者のことが ある雑誌の一月号に出ていました。

GPSの液晶も凍り付く想像を絶する厳しい極北の世界。

「こうした 冒険に挑戦する人間は、死への願望があると言われるが、これは
当人たちにとっては、笑止千万な言い草だ。人間の能力の限界に挑む冒険にひ
かれるのは、死に近づくためでなく、むしろ生きていることを実感するためだ
と彼らは言う。

高山の頂上に立つことで、精神も新たな高みに到達する。平凡な人間でも精神
力を鍛えあげることで、想像以上の力を発揮する。
彼らにとって、地図に到達点を記すことが重要なのではない。それが目的だっ
た時代は、とっくの昔に終わっている。
いま、彼らがたどっているのは、心と頭のなかに描かれた地図だ。
死なないことが最大の意味を持つ厳しい状況では、多くのことを学び、自分自
身を深く知ることができる。」

「厳しい自然と戦ってきたいま、二人は揺るぎない信念をもつようになってい
た。本当に大切なのは、家族と友人、誠実さと美しさ、それに愛だ。人が旅を
するのは、目的地に着くためではない。何度学んでも学びたりない、重要な教
訓を胸に刻みつけるためなのだ。」


「真冬の北極 明けない夜を行く」マルゲリテ・デル・ジュディチェ著 
ナショナルジオグラフィック誌 2007年1月号』から引用


2007年3月11日 第1版制作
http://www.lnt.org/


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