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HOME山行記録 > 光石 三嶺(1893) 西熊山(1815) 天狗塚(1812) 光石 > 平成16年9月18日


無雪期

光石 三嶺(1893) 西熊山(1815) 天狗塚(1812) 光石

徳島県三好郡東祖谷山村 高知県香美郡物部村

ここで紹介している山々は、本州の著名山に比べると、登山道や指導標は未整備です。
それは自然が多く残っていて、この山域のいいところなのですが、この山域では、登山者は自己責任での行動が求められます。
コースタイムはご参考程度にしてください。

●この山域への 交通機関 アクセス
●この山域の地形、地質と気象
剣山山頂の気象(平年値極値)
●2004 10 02 三嶺 南西面 崩壊箇所詳細
●二万五千分の一地図  「久保沼井」 「京上」

概念図
記録
フスベヨリ谷 コースメモ
GPSトラックログ
写真
天気図
平成16年8月-9月の相次ぐ台風

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★概念図



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★記録

平成16年9月18日 曇り 雨

光石登山口 4:33 -- 八丁小屋 5:26 ---三嶺山頂 (9:02-9:13) --三嶺ヒュッテ(9:20-9:38)--三嶺山頂 (9:45-9:50)-- 西熊山 (11:04-11:27) ---お亀岩 11:46 --- 天狗峠 12:27 --- 天狗塚山頂(12:44-13:11)-- 天狗峠 13:22 -- お亀岩 (14:04-14:23) ---八丁小屋 16:07--- 光石登山口 16:56

8-9月に襲来した台風16号、18号の暴雨風やその間の集中豪雨などで、大きな災害を受けた西熊渓谷上流部へ入ってみた。八月二十一日来たときとは全く谷の様相が変わっていた。

八月二十一日来たとき、既に、ヒカリ石登山口からの整備された渓谷沿いの登山道でも、途中崩れたところや、陥没したところがあったが、更に風倒木などや 登山道の浸食が増えていた。

八丁ヒュッテで、曇り空ながらようやく明るくなって、ヘッドランプをしまう。

フスベヨリ谷へ入ると、沢に流木など多くなってくる。沢沿いの登山道は流出しているところが出てくる。

カンカケ谷手前の左岸への橋(ワイヤー補強橋)は 少し高いところにあるせいか 無事だった。

沢に堆積した土砂がどんどん削られていく様子が、川筋に掘られた浸食の痕で分かる。

流木が溜まり、川筋が変化している。
木々に付けられた水流痕で、最大時の水流がここまで来たのかと驚く。

ヌスビト岩の標識は無事だった。また支流ヌスビト沢に架けられた橋も無事だった。
しかし それ以外の橋(フスベヨリ谷の本流で五カ所)は流失していた。

ここを過ぎると土砂の堆積がぐんと増え 沢が土砂で埋まっていた。登山道も一部をのぞき ほぼ埋没していた。

幸い フスベヨリ谷の本流は水流が少なくて、徒渉は楽に出来たのだが、沢筋は 崩壊岩や土砂が まだ落ち着いていない箇所もあって、危なそうな箇所は 無理して沢沿いでいくより、適当に、左岸や右岸の高捲きルートに入り、縦横に付けられている獣道を 積極的に利用させてもらう。

土石流発生沢の合流点付近から見上げると 物凄く切れ込んでいて 不気味な感じがした。

この合流点の上にでると 久々に 登山道に出た。あとは 普通に稜線に でて三嶺山頂へつく。

三嶺山頂9:10 「14.1度 6m南風 ガス。何も見えない」

三嶺ヒュッテに立ち寄る。こちらは台風被害はなかったようで健在だ。

縦走路で雨が降り出し、一時かなり強く降る。
西熊山 「15.3度 4m 南風 ガス 小雨 」

天狗塚山頂 13:00 「14.1度 7-9m南風 ガス 小雨 8人グループが登ってきたが早々に下山した。」

お亀岩避難小屋は やはり雨漏りが続いている。
カンカケ谷を下りはじめると 早速 小屋の水場あたりで 風倒木に出会う。
以後 何度か 倒木 に出会う。

徒渉地点の水流は少なかった。

光石登山口には 他に三台駐車していた。

今日は 天狗塚で出会った8人パーティー 一組だけの静かな山行が楽しめた。

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★フスベヨリ谷 コースメモ

●光石登山口に「三嶺登山道に係わる お知らせがでています。

「台風16号により「アオザレ」の西側斜面が崩壊し 渓流コース(フスベヨリ谷沿い)の登山道は通行不能(大部分消失)となっています。 高知中部森林管理署、物部村」

実際 土石流でフスベヨリ谷の様相は一変し 8月21日の状況とは全く違います。
登山道は かなりの部分が消失してしまって 決められた登山道を歩く登山道コースでなく 沢歩きのルートです。

●橋は 八丁ヒュッテより上流のフスベヨリ谷本流で 健在は一カ所(最初の橋1/6)だけで、
 他の2/6橋から6/6橋の五橋は流出。
 ヌスビト沢にかかる支流橋は健在。

●水の流れは 降水や 堆積物の動き さらなる土砂崩壊 浸食などで 刻一刻と変化しそうな感じで、決められたコースを辿ることなくその時の水の流れで 適宜 ルートファインディングして 沢歩きの要領で 沢を詰めていくことになります。

崩壊後まだ 安定していない 崩壊岩や土砂がたくさんあり 更に崩れるかもしれないほど 不安定な危険な箇所があり 高捲きが必要なところも出てきます。

●沢の水量や降雨時には 特に注意が必要です。

●三嶺 天狗塚を回る オーソドックスな周回コースで、三嶺を代表する、いいコースですが、今回の台風災害で一変してしまいました。早く 以前の渓谷美が 蘇って欲しいものです。

● 崩壊直後なので、一般道に比べ、危険が高いコースです。自己責任で慎重な行動が求められます。

2004 10 02 三嶺 南西面 崩壊箇所詳細もご覧下さい

★フスベヨリ谷 入渓にあたっての注意--過去の教訓から 「土砂崩れは一回でない」
土砂崩壊の災害で 忘れられない 出来事は昭和四七年七月五日の高知県香美郡土佐山田町繁藤で起きた災害です。

大規模な土砂災害のため 救助していた 救助隊員が巻き込まれた 二重遭難です。

大雨が降り続き まず 土砂崩壊がおきて、それを助けようとして 多数の 救助関係者が 作業にあったっていたところ、二回 三回と また崩れ、それでも 待避したりしながら 必死に 作業をしていると、
第四回の大規模 土砂崩壊が起きて 一気に 六十名もの救助隊員がのみこまれる 大惨事となりました。
そして 土讃線の駅構内に停まっていた列車も対岸へ押しやられました。

土砂災害の 救助がいかに 難しいことか つくずく 思い知らされることとなった痛い教訓の災害でした。
http://www.osaka-jma.go.jp/kochi/saigai/19720704/19720704.htm
「土砂災害の恐ろしさは、一度目の崩壊以降、二度目は必ずといってよいほどの崩壊が起こり、救援隊の多くは、この崩壊で犠牲者がでている。高知県繁藤の災害ではこれが、四回目の崩壊で大惨事になった。」

「とにかく、崩壊看視を怠ったのが命とりであった。
崩壊周辺の地肌には、崩壊でバランスが崩れたため、バランスを保つため、余分な土砂をふるい落とそうとする活動が,崩壊となって現れる。それを注意して、災厄にまき込まれないようにしなければならない。崩壊周辺の地肌には、次ぎに崩れるための亀裂が幾重にも入っているから、この崩壊予備軍の看視をすることが肝要である。

したがって、山崩れがあったといって、物珍しげにみに行って、まきぞえで落命した人は過去に数えられないのである。」

「自分で学べる防災の知恵 崩壊地名」小川 豊著 山海堂 1995

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★GPSトラックログ


GPSトラックログ 2004年9月18日 GPS3+外部アンテナ使用
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものです。(承認番号 平15総使、第387号)」

カシミール(杉本智彦氏作)利用

このページもご参考にして下さい
2004 10 02 三嶺 南西面 崩壊箇所詳細

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★写真

地図上の番号をクリックすると その撮影地点の写真へジャンプします。
消失した橋の位置を推定しています(別ページで拡大図


このページもご参照下さい 2004 10 02 三嶺 南西面 崩壊箇所詳細
光石登山口にある看板 撮影地点1 最初の橋 健在
撮影地点2 水流がめまぐるしく変化
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撮影地点3 
堆積した土砂がこれだけ浸食された
撮影地点4 撮影地点5
撮影地点6 ヌスビト岩標識
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撮影地点7 ヌスビト沢付近の標識
撮影地点8 ヌスビト沢の支流橋 健在 撮影地点9
撮影地点10
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撮影地点11 残っていた標識
撮影地点12 沢の屈曲点に流木が溜まる 撮影地点13 この付近でサオリガ原へ分岐
撮影地点14 見上げる
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撮影地点15 見下ろす
撮影地点16 合流地点付近 見上げる 撮影地点16 合流地点付近 見下ろす
撮影地点17 土石流の沢を見上げる
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撮影地点18 沢の合流地点から見下ろす
撮影地点19 土石流の沢を見る 撮影地点20 水場手前屈曲点 標識
撮影地点21 水場
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撮影地点22 稜線 光石への下山口標識
三嶺ヒュッテ 台風被害なし 三嶺ヒュッテ 内部も雨漏れなし
アオザレ上部 南面のみクマササが変色
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西熊山 下り コメツツジの変色
天狗塚山頂8人パーティー下山 山頂滞在6分間 お亀岩避難小屋 内部漏水 鍋が置かれている
お亀岩避難小屋水場付近 倒木 カンカケ谷 徒渉地点
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★天気図

平成16年9月18日9時 地上天気図 平成16年9月18日9時 700hPa 850hPa天気図
気象庁 より引用

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★平成16年8月-9月の相次ぐ台風などで 沢の様相が一変しています。

平成16年8月-9月にかけて、来襲した台風の暴風雨が  この山域に大きな爪痕を残しています。
はやく 以前のような 穏やかな渓谷美の山に戻って欲しいものです。
かつての渓谷の様相は
光石 フスベヨリ谷 三嶺への 標識類は ここを ご覧下さい。(2004年台風被災前) 2003年版はこちら

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平成16年9月18日 第一版
平成16年10月2日 改訂増補
ご注意
この登山道は十分には整備されていません。険しい山道が続いています。
気象条件やあなたの技量と体調をよく考えて、適切な装備を準備した上で、くれぐれも慎重に判断し自己責任で行動してください。
自然へのインパクトを出来る限り少なくするよう心がけましょう。


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