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「ハンディGPSを使って移動した軌跡を記録する楽しみ方を知ると 誰しも出来るだけ細かく長時間の軌跡を記録したいと思います。」
カシミール3D GPS応用編」杉本智彦氏作 2002年11月24日 実業之日本社
欲望が拡がり、貪欲に、トラックログを、とろうとすると 大がかりになる。
0−0 ログの容量
0−1 前提
1 複数のGPS
2 外部 データロッガーを利用する。
3 PDA
4 ワンダースワン
4-1 ワンダースワン gar2ws gar2wwsu
4-2 ワンダースワン garlog
4-3 登山道での トラックログの比較
4−4 一カ所に止まっていたときの garlogの記録
4−5−1 流れの速い 国道バイパスでの garlog
4−5−2 高速道路でのgarlog
4−6 結論 登山用に garlog で トラックログを 取るときの注意
5 行動中のGPSの持ち方
6 衛星補足
トラックログの取得には 行動中ずっと 電源を入れて おかなければなりませんが、長距離縦走などの 長時間行動で連続的にログを取得しようとすると ログの容量も気になります。
GPS トラックログについては GPSの機種によって トラックログの記憶容量が決まってしまうからです。
今 みじかにある gpsでは
etrex 1536ポイント
etrexsummit 3000ポイント
etrexventure 2048ポイント
GPS3plus 1900ポイント
と 言う具合です。
長い行動時間(コースにもよりますが 10〜12時間以上)をかけるとなると
本体だけでは ログは 溢れでてしまいます。
バッテリーセーブモードなどで ログの取得間隔を長く設定していけば ログの取得量はを少なくなり 多少伸びますが カシミールなどで 取り込んで みると きれいなログよりは ギザギザのログになってしまいます。
いずれにしても GPS単体だけでログを取ろうとすると ロングコースの長時間の行動記録はとれません。
そこで 色々な 対策が出てきます
電池切れなどないように 電池の交換は 当然の前提として必要になります。
-------これは 本当に 多い 失敗です。
ことに 充電式電池を使うときは 充電から時間がたつと 自然に自己放電してしまいます。充電式電池は 生ものと同じで 賞味期間が案外短いので 充電の時期に 注意する必要があります。
また 充電時の失敗で 始めから所定電圧がでなかったり メモリー効果で能力自体が 低下していたり することがあります。
そして GPSのカタログデータで使用可能時間を判断しないほうがいいようです。 実際の経験値を元に 電池の使用可能時間を 判断できれば 失敗は 遙かに 少なくなると 思います。
複数のGPS を持ち 一台目は一杯で打ち止めの設定(FILL)にしておき、2台目は上書きモード(WRAP)にしておき、一台目が満杯になる前に 、2台目にスイッチを入れておくと 、効率よく gpsを2台を丸々合計したログが 切れ目なく取れます。
これが 、 細かい操作なしに 単純で かつ 簡単で 間違いのない方法なのです。
実際 山の中では すべての 面倒な操作は 億劫になります、細かい操作や、いらぬ気配りなど、山中では 大きな負担になるので、出来るだけ単純化したいものです。
PDAやワンダースワンとの常時接続で使用するときは コードの外れ等のトラブル が よくあるのですが、複数のGPSは そうした トラブルなど 心配無用です。
超ロングコースの場合は 2台目でも満杯の時は おもむろに 更に 3台目の登場になります。
一番理想的には 同種の機種で ソフトウエアも同じバージョンでしたら 完全につながります。
違う機種だと 細かく見れば ログの取得の ペースが 微妙に違ってきます。あまり 気にならなければ違う機種で 十分です。
PDA や ワンダースワン などを利用し GPS本体のログデータを 外部の記憶に移す。
山の中で 行動中に これをするのは 実際には 面倒です。 電池交換の時とか 休憩時間を 使う のですが 時間も食いますし 風の強い冬場 とか 風雨など天候不良の時など 屋外で作業するのは 誠に いやなもんです。
泊まりがけの山行 で一日の 行動が 終了して 山小屋やテントの中で ゆったり 一日の ログをとる作業を するには あまり苦になりません。
ソニーから発売されている バイオUなどの 携帯型小型パソコンは 大変魅力的なのだが、 山中での 手荒な扱いや 風雨 風雪 などの厳しい 気象条件を考えると 常時デリケートな 取り扱いを要求されるし 、電池の持ちが悪いので 山中で 気兼ねなく使える状態とはなりません。
屋外専用に 考えられた パナソニックの製品は とても高価で 重量があり やはり 山中では もったいない気が します。
その点 モバイル端末のPDAは 山のような悪条件下でも 遠慮なく もっていけます。
機種は 最新型でない 少し古いくらいの 中古でもよし、 新品でも 決して高級品でない リーズナブルプライスの PDAのほうが 本当に気兼ねなく 山中へもっていけて 思う存分使えます。
使うソフトウエアは 地図が入ったgarmapです。
garmapを使うと ログ の取り入れ は楽に出来ます。
何より PDAの液晶画面に 国土地理院の2万5千分の一の地図が表示されるのが 決定的な強みです。GPSの電波が受信さえできればですが、只今の現在地など カーナビのように たちどころに表示され 解るのです。
ただ これは登山者に本来備えておかなくてはならない ルートファインディングの能力と意欲 を大幅に減退させてしまう魔力があるので 取り扱いは 慎重にしなくてはなりません。
−−−−−まず地図と磁石 それを生かす冷静で的確な判断能力
GARMIN社GPSとGarmapCE動作確認の情報は以下にあります。
中澤和夫様作
http://www.valley.ne.jp/~kazuo/gps/test_index/pocketpc/garmapce.htm
最近発売された MapSource 日本語地図をインストールすると
Garmin etrexVistaや Legendの日本語版 も gps画面で 地図表示が出来るようですが まだ 値段が高くて 普及するには まだまだでしょう。
日本地図入りを 使用した 報告は 別ページにあります。 (etrex Legend -J の レポート)
カートリッジには金がかかりますが 本体価格500〜1000円程度の 格安の中古のモノクロのワンダースワンが 実に快適です。 子供向けのゲーム機だけに 電池の持ちもよく 大変丈夫で 野外で 惜しげなく 扱えます。
4-1 ワンダースワン gar2ws gar2wwsu
gar2wsはGPS本体で 一杯になった トラックログを 手動で その都度ワンダースワンへ取り入れます。PCへは gar2wsuです。
これは 確実 に トラックデータを 入れられ便利です。取り入れるときの接続だけで済みますので 接続ミスさえなければ 誤操作も まずない 確実な方法です。
4-2 ワンダースワン garlog
連続的に 一秒ごとのログを保管してしまう 強力な ソフトです。
ただ 車とか自転車とか スカイスポーツなど 移動速度の速いのには向いていますが スピードの遅い 登山では やたら 大きすぎる データになります。
行動中ずっと gpsとワンダースワンが接続していなくてならず 途中で 接続が外れたり 誤操作 したり の可能性があります。
一秒ごとのデータはあまりに膨大なので PCに 取り入れた後も ハンドリングが やっかいです。
gps本体で 適当に 間引いて くれている方が カシミール(杉本智彦氏作)などへ 取りいれ後の扱いが 楽です。
更に 根本的に スピードの遅い 移動の場合 は 以下のような 問題点が出てきます。
GPSは毎秒 測位しますが その都度 測位の位置には誤差がでます。一秒ごとに記憶してしまう garlogでは gpsのその都度の 位置精度 を そのまま 記憶してしまい 極端な場合 一箇所にずっと止まっていても 一秒ごとに 測位誤差の移動距離を動いたとして 記録していきます。
移動速度が速い場合は 電光型のラインがずっと伸びて 誤差は少なくなりますが 登山の場合 移動速度が あまりに 遅いので 電光型のジグザグが物凄く 多くなります。
イメージ的には こんな感じです。
登山など移動速度の遅い 場合 | /\/\/\/\/\/\/\ |
車とか自転車とか スカイスポーツなど 移動速度の速い場合 | ---- −−−−__------- ̄ ̄ ̄ ̄---------___--------- |
4-3 登山道での トラックログの比較
実際のトラックログの比較は以下の通りです。
条件
天候 晴れ
樹林限界を抜けでた 幅広い 稜線上の 平坦な直線の 登山道の区間
移動速度は 大体 時速2−3km位
外部アンテナ使用の Garmin GPS3plusで garlogでログをとり
カシミールの2万5000分の一の地図上で
そのトラックログを16倍に拡大してみると
ギザギザが よくわかります。
毎秒の測定のバラツキを まともに拾ってしまうのがよくわかります。
gps3plus garlogの トラックログ
右上の 茶色は等高線
その日 同時に スイッチを入れていた
Garmin etrexventure ノーマルモードでの同じ区間のトラックログを
同様に カシミールの2万5000分の一の地図上で
16倍に拡大してみると 下記の通りです。
適当にログを間引いて 直線となって ほぼ 実際のルートに近くなります。
多少の ギザギザは ディスプレイ上の表示のせいです。
etrexventure ノーマルモード gps本体でのトラックログ
右上の 茶色は等高線
私が よく出かける 山域で 樹林限界を超えた樹冠などの影響の少ない区間で トラックデータの取得をしカシミールで移動距離データを取ったところ
平均速度 2〜3 km/h
garlog 区間距離 7.209KM GPS本体 区間距離 5.184KM
と約4割増しの 区間距離が出てきました。
4−4 一カ所に止まっていたときの garlogの記録
家の中で 窓際に GPSを配置して ワンダースワンと接続してgarlogの記録を取ってみました
GPS3plus 本体アンテナ とワンダースワン
時間 60分 EPE は 5−10m DOPは 1−3位
60分で3600ポイント 移動距離は 2441mという結果でした。
GPS3plus 本体アンテナ だけで gps本体 のトラックログは (resolutin mode)auto
EPE は 5−10m DOPは 1−3 位
時間 9時間31分で12ポイント 移動距離は 341mという結果でした。
移動速度 完全ゼロ 0km/h
移動距離 測定時間 ポイント garlog 2441m 1時間 3600ポイント GPS3plus 341m 9時間31分 113 ポイント
4−5-1 流れの速い 国道バイパスでの garlog
自動車での GPSトラックログの取得 を garlogで行ってみました
条件
距離は約20km位の区間
トンネル区間などない 都市部を抜け出た 平野部の 平坦な国道。
国道に掛かるオーバーパスや 鉄道高架橋なし
片側2車線 の分離帯つき往復4車線で 信号は非常に少なく 交通の流れは 大体いつも順調
制限速度 60km/h
この中でも 更に 信号での ストップが少なくなるよう
流れの速い 夜間 遅い時間帯に
こうした いい条件の区間 と時間帯を 選び トラックログを取ってみました。
念のため 車は 特に 信号などで 止まらないよう ノロノロ走行などせず あくまで 周囲の流れに 完全にあわせた 通常走行で 安全運転を心掛けて 走行しました。
GPS3PLUS の設定は Resolution ( auto ) モードです
移動距離 平均速度 ポイント garlog 20362m 56.69km/h 1294ポイント GPS3plus 20308m 56.54km/h 113ポイント
という結果でした。
約2.65%位の差で まったく 気にならない程度です。これなら 車の odoメーターの誤差ぐらいです。
4-5-2 高速道路での garlog
条件
片側2車線 中央分離帯あり 往復4車線
上空が開けた 平野部の 高低差ない 全く平坦な 高架式 高速道路。
制限速度 100km/h。
高速道路の 上空に 交差して 覆い被さる オーバーパス 、オーバーブリッジ の類 一切皆無。
上空をクロスしているのは 超高圧送電線のみ。
ほぼ完全な 直線区間だが きわめて緩やかな カーブが きわめて 少し だけあり(1箇所)。
交通量 僅少。
前にも後ろにも 車が無い状態で 自由走行可能だが 制限速度内で 安全運転。
この様な 理想的な 条件を兼ね備えた 高速道路の区間を 実際に走ってみて garlogと 本体内部のログをとってみました。
移動距離 平均速度 ポイント garlog 11053m 83.95km/h 474ポイント GPS3plus 11047m 83.90km/h 113 ポイント
二つの差は 僅か0.036%になりました
結論
スピードが速くなると garlogと本体記録の数値は 近接して殆ど一緒になる。
4−6 結論 登山用に garlog で トラックログを 取るときの注意
登山用に garlogを使うときは 登山者の移動速度が きわめて 遅いため
測位の各時点での 衛星測位誤差 の影響をまともに 受けて、garlog上での 移動距離は 実際の移動距離よりも かなり大きな数字が でてしまいます。
登山用にgarlogを使用するときは スピードの遅さと 測位誤差との関連を 十分 頭に入れて 使用しなくてはなりません。
GPSで 誤差の少ない きれいなトラックログを 取ろうとしたとき 実は 一番 大切なのは 行動中のGPSの保持方法です。
腕に付けたり
肩に付けたり
頭に付けたり
ザックに入れたり
ポケットに入れたり
ウエストポーチに入れたり
色々あるでしょうが 私は トラックログ取得を第1にしていますので ザックの 雨蓋に いれています。
そして 雨蓋の中で動かないように ザックの 荷の量の加減で垂れ下がらないように注意して 詰め物をするなどして
常に 受信アンテナ部が 一番効率よく 天空を 向くように セットしておきます。
多い失敗は 横倒し になることです。そのための工夫は GPSの下敷き用 自作安定版です。
工夫次第で 見違えるほど きれいにトラックログの取得ができます。
登山で GPSを使用するときに 問題になるのは GPSの衛星捕捉であります。
樹林限界を抜けでた 稜線上で 使用するのなら 岩峰などの捲き道の時くらいしか ログの乱れは ないのですが
谷筋とか
樹冠が多い茂った 深い樹林帯の中とか
山肌が迫り 山影ができるような 山腹などは
GPSの苦手なところで 極めて 悪条件下での衛星捕捉となります。
そこで どのくらい 機種によって 衛星捕捉に 差が出てくるか 山中で試してみました。
GPSの内部処理ソフトウエアによって ログの取得状況は 大いに変わってきますが
受信状況の悪い地帯で ザックの 雨蓋に 三種類のGPSを 同時にセットして
機種接近による 相互干渉の問題は どう影響するのか よく分かりませんが
登山道を普通に歩きながら
トラックログの取得状況 を比較してみました。
etrex と etrex venture は 内部アンテナ使用。
gps3plusは 外部アンテナ使用と ワンダースワンを使用した。
コースは
1800m位が 樹林限界で
1700mまでは まだらな樹林
1600m以下で 濃密な人工林
下図には こうした 悪条件の揃った 山中での各種gpsのトラックデータの取得状況を カシミール上であらわしています。
機種別トラックデータの取得状況
garmin etrex garmin etrex venture garmin GPS3plus garlog
外部アンテナ使用
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行のの数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平15総使、第387号)」
結果
GPS3PLUSに 外部アンテナ を使用すると 常に 感度よく 安定した ログが 取得できました。
それでも 条件悪く 何カ所かは 明らかに 乱れたデータになっているところがあります。
2006年6月10日 トラックログ
ガーミン GPS ログ比較 GPSmap 60CSx
で 新しい機種による ログをご覧下さい。
悪条件のもとで 全くの 感度無し なら どうしようもない ものの
etrexでも ログとしては 細切れになるものの この程度のログの乱れ程度では
ポイント ポイントで 受信状態のよいところを捕まえて 足を止めて しばらく衛星捕捉に つとめれるなどの 使い方に工夫さえすれば 誤差は 大きくあるものの 十分ナビに使えると思います。
やはり GPSをナビゲーションに使うときは 衛星捕捉の 状況を 常に 頭に入れて GPSを使用することの方が大切なのです。
「このサイトの地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行のの数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平15総使、第387号)」
カシミールは杉本智彦様作のフリーソフトです。http://www.kashmir3d.com/
「カシミール3D入門」杉本智彦氏作 2002年4月10日 実業之日本社
「カシミール3D GPS応用編」杉本智彦氏作 2002年11月24日 実業之日本社
「カシミール3D パーフェクトマスター編」杉本智彦氏作 2003年8月1日 実業之日本社
GarmapはFukuro様作のフリーウェアです。
http://harukaze.sakura.ne.jp/garmap/garmap.html
gar2ws 、gar2wsuは中村浩明様作のフリーウェアです。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~nak/index.html
garlogはgigo様作 のフリーウェアです。
http://homepage1.nifty.com/gigo/wonderwitch/logger.html
最終更新平成20年6月25日
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