「趣味の山歩き ますます深くなる近くの山域」 趣深山 Copyright(c) 2002-2007
[HOME ] [更新履歴 ] [ G P S ] [ 山行記録 ] [ よもやま話 ] [ リンク ] [ BLOG 趣深山ブログ ]
| Twitter | Twilog | 瀬戸内編 | YouTube動画チャンネル | 趣深山 Jimdo | 日付順 | 山別 |
「道に迷ったら引き返す」「むやみに動き回らない」は山で迷ったときの鉄則であり、誰もが分かっているはずである。
しかし、実際に迷うと独特の心理が働き、原則通り行動しない例が多い。迷って 遭難した者の特徴的な行動として次の2点が挙げられる。
1 元に引き返さず、下方、下方へと行動する。
2 迷ったことに 気づいて 不安にかられて動き回る。
その結果は、ゴルジュ帯や滝などの断崖絶壁に行き詰まり、行動不能、無理に動いて 転落、など最悪ケースとなる。
道迷いの原因は、ほとんどは 地理不案内(調査不足)、錯覚、信じ込みなどである。
稜線から 全く反対側へ 下降したり、剱沢二股から上流のテント場に戻る予定が、下流の剱大滝ゴルジュ帯に迷い込んだ例など、常識では考えられない遭難が現実に発生している。」
山に迷った時、無事生還するために、慌てず、騒がず、最前の努力を
谷口 凱夫 氏
「山の遭難 生きた 還った セルフレスキューの秘訣」永田秀樹編 東京新聞出版局 2005年2月26日 初版
★山岳遭難で 多いのは やはり 道迷いです。
山岳遭難で多いのは やはり 道迷いです。さらに 道迷いに 起因して 2次的に さらに転落事故など引き起こすことがあるので 実質的にはかなりのウェイトを占めていると言えます。 以下 警察庁の統計
★ベテランでも 道迷いがあります。何十回登った 自負心が 地形判断を 甘くすることがあります。
私も 何十回も登った山々が増えてきていますが、同じ山域など 回数を重ねると、 どうしても 地図を 広げる 回数が減ってきてしまうもので、常に 自戒しています。
初心者だろうが ベテランだろうが、山が 低山だろうが 高山だろうが 道迷いの可能性が常にあります。
「何十回も四季を通じて登っている山。こんな迷い方をするはずがないと思っていたのが間違いだったかもしれない。うぬぼれというか自負心が間違いを起こした」。
「乳頭山は若いときから何 十回も登り、天候の予測や迷い尾根という地形を知りながら、判断のミスを犯した。」
★ハイカー30人行方不明はなぜ起こったのか 「低山」でも甘く見てはいけない
低山などでは 山仕事道 登山道など 様々な道が入り組んでいて 道迷いの可能性があります。
2004年2月号 「山と溪谷」では 2003年11月に起きた 房総半島での30人行方不明 16時間後無事下山事件を 検証している。
「今回の遭難では 地元の人や 山岳関係者も含め、多くの人が驚かされた。標高300〜400m程度、全体の行程も3,4時間クラスとなれば、だれしも初級者向きのハイキングコースと考える。そんなコースでも、予測しがたい危険が潜んでいる場合がある。けっして山を甘く見てはいけないことを、本事例は教えてくれているようだ。」2004年2月号 「山と溪谷」
★平成17年3月 秋田県田沢湖町の乳頭山(別名・烏帽子岳、1478メートル)登山の43人が行方不明
- 「自分の庭のように思ってきたのがよくなかった。おかしいなと思ってからコンパスを使った。3月29日夜から30日朝までに新雪が70センチ積もり、雪崩を回避したりすることが大変不備なことにつながった。反省している」
- 「乳頭山は若いときから何 十回も登り、天候の予測や迷い尾根という地形を知りながら、判断のミスを犯した。---」
- 「何十回も四季を通じて登っている山。こんな迷い方をするはずがないと思っていたのが間違いだったかもしれない。うぬぼれというか自負心が間違いを起こした」。
- 「強風や吹雪の中、二日間迷いながら歩いたのだから、推定はでき るが、マップ上の正確なルートを確認することは無理がある。不時露営したことや沢 などの無理な下山をしないで自重したことが全員無事につながったと思う。いずれ、 さらに検証し報告書を出したい」
★GPSがあれば マップ上の正確なルートを確認できるのだが
「強風や吹雪の中、二日間迷いながら歩いたのだから、推定はでき るが、マップ上の正確なルートを確認することは無理がある。」
GPSを活用していれば 位置情報が得られ トラックバックなどの機能で 引き返しの場合など 出発地点へたどり着ける。
また どのようなルートを 辿ったか などは 拙作ウェブサイトの山行記録でのトラックログを見ていただければ わかるが ログをカシミールなどで 地図の上に 広げて 後で検証できるのであるで 山行記録とか計画の立案などで ログがとても役立つのです。
★携帯電話の電波は いつも通じるとは 限らない
平成17年3月30日午前6時過ぎ、携帯電話で「蟹場温泉へ下山中」 と何度か連絡したが、その後連絡できない状態が続いた。
このことで 捜索が混乱。
秋田県側では捜索隊が救助に出発したが、蟹場温泉へ下りるものと思っていたが 一行は岩手県雫石町側にさまよい込んでいた。
この件 「山と溪谷」 2005年6月号の記事を以下に抜粋しました。
★携帯電話のやりとり(「山と溪谷」 2005年6月号から抜粋)
- 平成17年3月29日 19時 40分 角館署に秋田市の男性から「妻が乳頭山に向かったが、帰宅予定時間を過ぎても帰ってこない」と通報
- 平成17年3月30日 午前 6時 3分 メンバーの男性携帯電話から「全員無事、蟹場温泉へ向かって下山中」と角館署に連絡
- 平成17年3月30日 午前11時14分 別のメンバーの男性携帯電話から 「ルートをまちがえて 沢に入り 蟹場の尾根の南側にいる。ひとりが大釜温泉をめざして下山する」
- 平成17年3月30日 13時55分 メンバーの一人が下山して家族経由で角館署に連絡 42人が岩手県側 葛根田川近くの尾根にいるのが判明
- 平成17年3月30日 14時35分「蟹場の尾根にいる。43人全員無事」
- 平成17年3月30日 14時50分 角館署が携帯へ電話し返答は「3キロほど先に地熱発電所が見える。病人、けが人なし。食料がない。」
●43人中7人が携帯電話を持っていた。
★携帯電話を使用する時には 正確な位置情報とともに 通報することが大切
- 不正確な位置情報では 捜索活動が混乱します。
- 正確な位置情報を出すためにも GPSの活用が必要です。
- 携帯電話付属の GPSは 基地局とのデータのやりとりが必要で、圏外では使用できません。(下記の項目参照海山ざんまい)
GARMIN社製などの普通のGPSが必要です。(単独測位可能なもの)
正確な位置情報の例 緯度 経度の 細かい数字も大事ですが 測地系を何に設定しているかも大事です。
世界測地系(測地成果2000) 1/50000地形図名 雫石 点名 鳥帽子岳 緯度 39°48′17″.6063 経度 140°50′18″.9416 標高 1477.50m ジオイド高 41.08m 行政名 秋田県仙北郡田沢湖町
★GPSを持って 使いこなす状態にあれば
- GPSを持っていても 使いこなしができなくては いけません。
- 沢沿いで GPSを活用しにくい ところもあるかもしれませんが GPS衛星の受信可能な状態であるかぎりの話ですが
- GPSを活用できる状態に 予備電池等も持って いれば 少なくとも 彷徨することは なかっただろう。
- GPSを持っていても 使いこなしができなくては いけません。
★2004年2月号 「山と溪谷」から
「道迷いを防ぐポイント10」 by 森山憲一氏 2004年2月号 「山と溪谷」
- 地図を持つ
- 地図を読む
- 地図を見る
- 現在地を知る
- コンパスを使う
- 先を読む
- 視界がきかないときは要注意
- 迷ったら引き返す
- むやみに動き回らない
- GPSを利用する
★GPS携帯も通話範囲内で位置情報取得可能
携帯電話の通話範囲という制限がありますが、使い方によっては、それなりに機能するかもしれません。
ドコモのGPS位置情報サービス
http://www.dlpservice.jp/index2.php
海山ざんまい
http://www.wham.jp/
★遭難者の残置ザック 徳島県美馬郡つるぎ町 山中にて
平成5年(1993年) 8月25,26日
道迷い遭難者がヘリコプターで救出された。
あとには ザックが3人分 残置されている。
「平成5年(1993年) 8月25日午後四時ごろ、徳島市内のアマチュア無線家から通報-----
徳島県警のヘリ「しらさぎ」が現場に急行して捜索に当たり------
2人を救助したが、一人は霧のため救助できなかった。-----
26日午前7時半から「しらさぎ」を出動させて救助に当たる。」
平成5年(1993年) 8月26日 徳島新聞記事より
平成16年5月2日 平成16年5月8日
地図 磁石 GPS 持っていても (2006年2月28日)
2005年5月15日 第1版制作
2006年2月28日 改訂増補
● 間違いや ご指摘の点がありましたら ご遠慮なく ご連絡下されれば幸甚です。
[HOME ] [更新履歴 ] [ G P S ] [ 山行記録 ] [ よもやま話 ] [ リンク ] [ BLOG 趣深山ブログ ]
| Twitter | Twilog | 瀬戸内編 | YouTube動画チャンネル | 趣深山 Jimdo | 日付順 | 山別 |
http://shumiyama.web.fc2.com/
「趣味の山歩き ますます深くなる 近くの山域」 趣深山
Copyright(c) 2002-2007 趣深山 All Rights Reserved
サイトポリシー
ご意見 ご感想 お問い合わせ など お待ちしてます。