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温暖な 四国でも




『 二十年間に渡って四国の山々を登山してきた経験があり、冬の笹ヶ峰にも頻繁に登っているある登山者は、
「あんななだらかな笹ヶ峰で雪崩が起きるとは思ってもみなかった。」と言う。 』
「ドキュメント 雪崩遭難 」阿部幹雄著 山と溪谷社 2003年2月初版


★ 四国の雪崩 遭難事故

2003年2月 「ドキュメント 雪崩遭難 」阿部幹雄著 山と溪谷社 発行
が 発刊されました。

この中で 四国の 山域での 雪崩 遭難事例が 詳しく 出ていました。

1997年2月11日 笹ヶ峰
2001年2月14日 石鎚山

私も 四国の雪山へ 頻繁に出かけていますが、まあ 南国の雪だから 大丈夫だろうと 安易に考えている ことの方が多かったのですが、この本で やや 認識を新たにした次第でした。

さらに「決定版 雪崩学」北海道雪崩事故防止研究会編 山と溪谷社発行 2002年 によると
更に 前出の二例 後出 一例 以外に以下の 四国内での雪崩事故例が 出ています。

1943 03 29 石鎚山 初芽成谷 上部 おたけ沢 1人死亡
1968 02 23 石鎚山 初芽成谷 − 雪瀑間 4人死亡
1963 01 14 高知県 天狗原 高原スキー場 5人救出

1997年2月11日 笹ヶ峰

「ドキュメント 雪崩遭難 」阿部幹雄著 山と溪谷社 2003年2月初版より引用


アプローチが簡単なので
冬期でも 大勢の登山者で賑わう山である。



夏道 登山道の一部区間が 雪崩の走路と重なっている。



「ドキュメント 雪崩遭難 」阿部幹雄著 山と溪谷社 2003年2月初版より引用

2001年2月14日 石鎚山

著名山ブームもあり 冬期でも運行するロープーウェ− があり やはり年中 賑わう山だ。

「ドキュメント 雪崩遭難 」阿部幹雄著 山と溪谷社 2003年2月初版より引用

★ 剣山 測候所の方が 殉職

1965年3月16日 剣山山系 の 一の森 北斜面 で剣山 測候所の方が 雪崩で遭難し 殉職しました。
今では 測候所は廃止されていますが、建物は残っています。また 遭難碑が 建てられています。


「 山を愛し
気象観測を愛し
こよなく
妻子を愛せし
男 ここに眠る
新田次郎 」

★ 雪崩注意報

四国でも 冬から 春先などに よく 雪崩注意報が出されることがあります。
以前は あまり気にすることなど なかったのですが、雪面の具合など やはり 気にするようになってきました。

南風など 急な温度上昇などで 急速な 雪解けが 進むようなときや、堅い雪面に 新たに積もった 不安定な雪など、いつなにが 起きても おかしくないのです。 

★ 実を言うと 一冬で 何度かは 不安定な 雪面に 出会っているのです。

降雪中 や 降雪直後 あるいは  堅い雪面にの上の 不安定な雪 南風で 急速な 温度上昇時 など 色々な ケースがあるのですが、

  実際 私のよく通う山域でも 不安定に雪が付いた 斜面で 足下から パサーと 板状の雪の層が 崩れるのは そう珍しいことではありません。

危なげな 不安定な 雪庇の辺りを 通過するのも よくあることなのです。
崩壊過程の 雪庇に 出くわして 肝を 冷やしたこともあります。

雪崩れた跡に出くわすのも ありますが、 朝 通った時は 大丈夫だった 雪面が 夕方 帰途に通るとき には 斜面が崩れていた ということもありました。

長年 登っているから 大丈夫 だというのは 無知の延長線 です。

何度か 危ない 経験するたびに 積雪期の山は 無雪期とは違う 難しさがあると 感じるようになっています。
雪の 山は やはり 何が起きても おかしくない というのが 本当のことなのです。

★ 雪国に 比べ 事故例は少ないものの

四国では 雪の 絶対量が少ないから まだ 事故にならないケースが多いのでしょうが、やはり それでも 積雪は 降るところには、降ります。

積雪が少ないから 却って 無知から くる 危険感受性の低さが 問題なのでしょう。

★ 昭文社の 山と高原地図 

昭文社の 山と高原地図「石鎚、四国剣山」  で よくみて見ると 積雪期の トラバース注意などと 地図上に書きこみされた ところがあります。 それなりに 過去の危険データ を基に 書かれていることで 疎かには出来ません。
積雪期の ルートの取り方は 雪面の状況次第で 色々 変わらなければいけない のが 基本です。

夏道 通りの 赤テープに 惑わされて 積雪期の ルートの取り方の基本が 取られていなかったりしていないか 反省 してみる必要があります。

雪のルートは 積雪状態など 自分で きちんと判断していくことが 大事なのです。

★ 夏道沿いの 赤テープ

雪のあるときは 本来 積雪期用の 雪道を利用すべきです。
場所によっては 夏道と 冬道が 同一 といったところもありますが、夏は通れても、雪があると 危険だ という 所もあります。

また 積雪期であっても 雪の量 雪質など考えて その都度 ルートの取り方など 判断することになります。

赤テープが あるから 雪道だ と思うのは 誤りで、自己の判断で、雪道を 決定すべきです。

むやみやたらの赤テープは 百害あって 一理なし ではないでしょうか。

私の 赤テープへの考えは ここにあります。 赤テープ考

★ 前出の「ドキュメント 雪崩遭難 」阿部幹雄著 山と溪谷社 発行にでてくる 四国の山域での雪崩事故 教訓

『 石鎚山雪崩事故の教訓として、次のようなことが考えられるだろう

1 「雪崩は起きない」と思っていた所で雪崩は起きる。
2 弱層テストを省略しない。
3 雪崩ビーコンを使う。
4 雪と雪崩の科学的知識を身につける。 』






雪風呂に どっぷりと 入りたい時は是非、必要です。


単三 2本で 送信時 300時間と長持ちしますが、雪風呂の長湯は禁物です。
出来れば15分以内に、雪風呂から上がらないと、大変 危険です。


★ 雪の 怖さ

こんな 危険が あれば あるほど 慎重に 行動していくようになるのですが、
それでも また別の 新しい苦難が 待ち受けています。

 更に 一番危ないのは 大丈夫と 思っている その固定観念が一番怖いのです。

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